デ杯 アジア・オセアニアゾーンⅠ 1回戦 <日本5-0インドネシア>

2013.02 :: デ杯 アジア・オセアニアゾーンⅠ 1回戦 <日本5-0インドネシア>

デ杯 アジア・オセアニアゾーンⅠ 1回戦 <日本5-0インドネシア>
単なるユーティリティプレーヤーではない大器としての内山

内山靖崇昨年の全日本選手権ダブルスで優勝した内山靖崇が、デ杯について聞かれ「ダブルスでチャンスがあるならぜひ出たい」と言葉にしていたことがあった。内山はジュニア時代の後半にはナショナルチームに呼ばれ、添田や伊藤、杉田などとともにナショナルトレーニングセンターで練習を積み、サポートメンバーとしてデ杯チームに帯同。最も近くでチームの戦いを見続けて来た日本チームの秘蔵っ子と言っていい。それだけに今の自分の力と、チームに必要な要素などをしっかりと理解した上での言葉だったのだろう。

今のデ杯日本チームは、錦織を筆頭に、添田と伊藤がトップ100、杉田が100位台の前半という過去最強レベルのメンバーが揃っている。さらにその下にも一昨年の全日本選手権を制し、昨年のUSオープンでは予選を突破して本戦に名を連ねた守屋宏紀が100位台後半に、また、スペインを拠点に活動するダニエル太郎が200位台に控える。ランキングで見た時の内山は、7番目の選手ということになる。

内山靖崇 だが大型で、技術的にも高いものを持つ内山のプレーの懐は深く、単純にランキングだけでは評価できない強さも持っている。彼のテニスはいわゆる「日本男子」の枠に留まらず、錦織や伊藤と同じ種類の、パワー勝負でも海外勢と勝負できる本格的なもので、さらにダブルスでのスキルも高い。単複で計算が立つため、団体戦の一員としては理想的な能力を持ったユーティリティプレーヤーとしての存在感は彼にはプラスとなる。
また、今回のインドネシア戦では、「前日までは、今までにないほど緊張していた」と言うのだが、いざコートに立ってみると「意外と落ち着いてプレーできた」と話すほど、平常心を取り戻せていたというのだから心強い。「(ダブルスでは)リーチがかかって回って来たので、『絶対に決めてやる』という気持ちで試合に入った」と内山は話していた。

内山靖崇しかし、インドネシアのダブルスは変則的と言っていいレベルで、ポジションが高く、まるでバドミントンの選手のような反応の良さでボレーを合わせて来た。6-4、4-0と日本が先にリードしておきながら、その後逆転を許し、6-4、5-7、2-6と先に2セットを許した頃には、むしろ敗色濃厚という雰囲気さえ漂っていた。しかし、ここから日本が逆襲。その原動力となったのは内山だった。第4セットの最初のゲームで内山が攻撃的なリターンを見せると、それにつられるように、この日やや不発気味だった伊藤のプレーの精度も上がり、相手のサービスゲームを破った。
その後も日本は手を緩めずに攻勢に出て、ネット近くまで詰めて来ようとするインドネシアのサーバーの足下へ鋭く突き刺すリターンで対応。さらに、できるだけ2対1となる局面を作って、片方の選手を後方に押し込み、相手の陣形を崩し続けた。こうして、次第にリズムに乗って来た日本ペア。特に内山の動きはセットの後半に向けて鋭さを増し、相手の早いテンポのボレーにも対応し始め、逆に角度をつけて相手を揺さぶるプレーまでがコンスタントに決まるようになってきていた。やや拮抗しつつも第4セットを7-5で取り返した日本は、最終セットではスタミナ切れからか足が止まり始めたインドネシアペアを一気に押し切って、そのまま勝利を決めた。

試合後、「5セットマッチは初めてでしたが、長い試合になると相手に試合中にも研究される」とコメントした内山。率直に言えば、試合後半の日本ペアは、経験豊富なはずの伊藤よりも、デビュー戦の内山が牽引する形のダブルスになっていた。初のデ杯、しかも、勝敗がかかった大一番でしっかりコート全体と相手の状態を見渡せる能力は、やはりただ者ではない。内山靖崇/伊藤竜馬それでも内山は「伊藤さんと一緒にコートに立っているのは心強かった。精神的にリードしてもらえて助かった」と試合後に話し、パートナーを立てたあたりに彼がダブルスで強い理由が伺えた。
翌日、デッドラバーとなったシングルスにも出場した内山は、ヌグロホを6-1、6-3で一蹴して日本の5-0での勝利を決めた。「初めてのメンバー入りで、自分の役割をきっちりと果たせて、無事に勝てた。ダブルスで決められたことで、最後にシングルスでも自分の出番があって、2試合とも勝てたのは自信になる。今後のモチベーションも上がって来る」と内山は対戦を振り返ったが、日本はまたひとり、計算できる駒を手に入れたと言ってもいい。

単複で2勝し「頼もしさ」を見せた伊藤竜馬
伊藤 竜馬国を代表して戦うデ杯の初日、第1試合に登場する選手の両肩には、相手チームが格下といえども重い荷が乗ってくるもの。その重圧の中、見事に大事な1勝をもたらしたのが伊藤竜馬だ。相手のルンカットは251位と格下で、植田 実監督が「彼のことは慶応と豊田のチャレンジャーでスカウティングができていて、ほぼ丸裸と言っていい状態で、どんなプレーをしてくるのかは把握していた」と明らかにしたのだが、それでも伊藤は「大事な初戦をどうしても勝利で飾りたい」という気持ちが強かったという。

理由は二つあった。一つにはもちろん、チームの勝利のため。もう一つの理由は、3戦目となるダブルスで内山靖崇がデ杯のデビュー戦を控えているということ。「先に2勝しておいて、できるだけ彼にかかるプレッシャーを減らせればと思っていた」と後に伊藤は話すのだが、勝っても負けても自分のことで済ませられる個人戦との違いは、こういう要素でもプレッシャーがのしかかって来る。

そのためか、「序盤は相手に無理をさせ、自分は我慢のプレーをした」と慎重に試合を進めた伊藤。相手のルンカットは技術的にはまとまったタイプの選手で、弱点がない代わりに意外性に乏しく、仮に、彼が「年に一度の絶好調の日」に当たったとしても、伊藤の力であればねじ伏せられるレベルの選手に見え、「全日本で言えば、準決勝ぐらいのレベル」と伊藤自身も話していた。内山靖崇伊藤としては確実に勝つために石橋を叩いて渡るような慎重さで試合を進め、確実に勝ちにつなげるための戦い方であったのだろう。しかし、伊藤の能力であれば、序盤から畳み掛ける形で圧倒しチームを勢いに乗せるという選択肢を取ることもできたようにも思えた。
のちに分かったことなのだが、伊藤は、このデ杯の時点で腹筋を痛めており全力でプレーすることができなかった。伊藤の良さが出ていなかったのは、そのためだったのだが、痛みを抱えていることを感じさせなかったこと、しっかり2勝を挙げたことには「頼もしさ」がある。今後も、プレーオフ、ワールドグループを戦い抜く上で、やはり伊藤は欠かせない戦力であることを証明したデ杯となった。

日本代表チームのオフィシャルカラーでもあるレッド×ホワイト×シルバーのRUSH PROを着用
RUSH PRO
  • RUSH PRO ALL [WRS316970U+]
  • カラー: Red/White/Silver
  • サイズ: 25:0-29.0cm
  • 素材
    アッパー: 軽量シンセティックレザー+メッシュ
    ミッドソール: RDST(高反発・高密度EVA)
    アウトソール: デュララスト・スプリーム・ラバー
    インソール: オルソライト