フィット感が良いので動きやすくて、足からのパワーをショットに伝えやすい!

錦織圭が選んだ 僕の2013年 BESTマッチ3

フィット感が良いので動きやすくて、足からのパワーをショットに伝えやすい! BEST3

錦織圭4月から始まった錦織にとってのクレーシーズン。そのクレーでの1大会目、バルセロナでは3回戦でラモスに敗れたが、2大会目のこのマドリードでは1回戦でメルツァー、2回戦でトロイツキと試合巧者を連破。クレーでの感覚をつかんできたところで、フェデラーと対戦した。当時のフェデラーのランキングは2位。錦織は11年のバーゼル大会でジョコビッチに勝った後の決勝でフェデラーと対戦し1-6、3-6の完敗。

フェデラーその時に「フェデラーは強い」と強烈な印象を受けたコメントを残していたが、それから約1年半後のこのマドリード大会では、バウンド後に跳ねるスピンでフェデラーの体勢を崩した後、すばやくコート内に入って得意のフォアで打ち込むという展開を見せ第1セットを6-4で先取。第2セットは1-6とフェデラーに挽回されたが、最終セットは積極的なフォアの回り込みでフェデラーを左右に振り先にブレークに成功し4-1とリード。その差を保ったまま、結局6-2でフェデラーに勝利した。

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錦織圭錦織のATPツアー3度目の優勝となったこの試合。錦織は2011年のバルセロナ大会でロペスと対戦し4-6、6(5)-7で敗れている。2度目の対戦となったのがこの決勝戦で、試合はロペスのサーブで始まったのだが、錦織がいきなりブレークに成功。その後、自分のサービスをきっちりとキープし2-0とアップ。それからは、ロペスがサーブ&ボレーやスライスを多用してトリッキーなリズムでプレッシャーをかけてくるも、この日の錦織はサーブとパッシングの精度が高く、第1セットを6-2で先取する。

ロペス 続く第2セットは第1セットの再現となり、ロペスサーブの第1ゲームをまたもや錦織がブレーク。その後はお互いのサービスキープが続き5-3で錦織がリードとなり、最後はロペスサーブの第9ゲームで再び錦織がブレークに成功し6-3で勝利した。ちなみに、錦織はこの後、USオープン前のシンシナティ大会1回戦でロペスに敗退。だが、楽天ジャパンオープン2回戦では再び勝利し、ロペスとの通算成績を2勝2敗としている。

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錦織圭錦織の出来は悪くなかったがツォンガの動きが俊敏で、錦織のバックのクロスに対しツォンガが回り込みフォアで応戦するという驚異的な展開を見せ、第1セットは6-1でツォンガ。しかし第2セット、錦織が先にブレークに成功し4-1アップに。だがこの日好調のツォンガがブレークバックに成功。スコアは4-4、5-5、6-6と進み試合はタイブレークへ。
そしてこのタイブレークは7-4で錦織が奪いセットカウント1-1に追い付く。そうして迎えた最終セット。どちらかと言えば錦織のほうが押していたのだが、どうしてもあと一歩でブレークすることができず、お互いのサービスキープが続きまたもやタイブレークへ。そのタイブレークでは6-5とツォンガがアップしマッチポイント。しかもツォンガのサーブという錦織にとっては絶体絶命の大ピンチだったが、ここで何とツォンガがダブルフォルト。錦織が6-6と追い付くも、続くポイントではツォンガがフォアボレーを決め、ツォンガが2本目のマッチポイント。
続く錦織のサービス、ファーストサーブがフォルトし、セカンドサーブをツォンガに叩かれそうな雰囲気だったが、ツォンガの動きの逆を突いたセンターへのサーブがエースに。7-7と追い付いた錦織は、続くポイントではファーストサーブをセンターに叩き込みサービスエース。8-7と逆マッチポイントを握る。すると最後は、ツォンガがダブルフォルト。劇的な幕切れで錦織の勝利となった。

2014PREVIEW

錦織圭本格的にトップ10入りを目指すことになる2014年。2013年6月17付けランキングで11位をマークした時は「周りからの期待も感じ、自分にプレッシャーをかけてしまった」と思うようなプレーができなかったが、その後、「トップ5を目指せば、トップ10は自然と見えてくるよ」というアドバイスを受け気持ち的に楽になったようだ。
ポイントとなるのは、全豪オープンを含めたマイアミまでの前半戦のハードコートシーズンだろう。錦織は初ATPタイトルが08年2月のデルレイビーチ大会で、13年も2月のメンフィス大会で優勝するなど、この時期にポイントを積み重ねることが多い。14年も同じくこの時期に1大会で優勝できれば「やはりケイは強い」という印象を回りの選手に与えることになり、それが続くクレーシーズンへの好成績につながり、結果的に『気づけばトップ10入りしていた』ということになるのではないだろうか? 逆にこの時期に戦績を残せなければメンフィスで獲得した500ポイントを失うためトップ10からは遠のいてしまう。まずはブリスベン、全豪オープンとオーストラリアのハードコートででどんなスタートを切るのかに注目だ。