伊藤、ATP2大会連続ベスト8入り!  内山、チャレンジャー準優勝!!

伊藤、ATP2大会連続ベスト8入り!  内山、チャレンジャー準優勝!!

伊藤、ATP2大会連続ベスト8入り!  内山、チャレンジャー準優勝!!伊藤はニューポート&ボゴタでベスト8をマーク

伊藤竜馬昨年に続きウィンブルドン予選突破を狙っていた伊藤竜馬。ウィンブルドン前のスハルト-ヘンボス大会(芝コート)では予選3回戦を勝ち上がり、本戦でも2回戦に進出。続くハレ大会(芝コート)では予選2回戦でニエミネンに負けたものの、予選1回戦で強敵ハリソンを破っていたこともあり、ウィンブルドンまでの流れは決して悪くはなかった。

しかし、そのウィンブルドンでは予選2回戦で守屋に敗退。「消極的的なプレーをしてしまった」(伊藤)のが原因で、一旦帰国した後は、いい流れに戻すべく、予定していなかったアメリカ・シカゴでのウィネトカ・チャレンジャーに臨む。そして、ここでは第1シードが付いたものの、そのプレッシャーもあり初戦負け。ウィンブルドンに続いて本来勝たなければならない試合を落としたことで気落ちし、「かなり凹みました」と伊藤。

たが、逆にこの2度の敗戦の原因が「消極的なプレーをしてしまったこと。自分らしい思い切りのいいプレーができていなかった」(伊藤)と冷静に分析できていたのが、この後の好成績につながる布石となる。続いて出場したATP250ニューポート大会(芝コート)では、初戦で地元のワイルドカードの選手をフルセットで下すと、2回戦ではジョンソンを撃破。ジョンソンとは昨年のこの大会2回戦で対戦し負けているので、リベンジをした形だ。続く準々決勝ではオーストラリアのスミスにフルセットの接戦で負けたものの、「この大会ではサーブ&ボレーをしたり、ラリー戦でチャンスがあればネットに詰めたりと、かなり自分でプッシュして攻撃的にいけました」と伊藤。気持ちを整えて臨めば、ツアー大会でも勝ち星を挙げられる実力は既についていることを証明した。

そして、それをさらに確実なものにしたのが、続くATP250のコロンビア大会(ハードコート)。1回戦でこれまで一度も勝ったことのなかったエブデンをフルセットの末に破ると、2回戦でもゴメスにフルセットで勝利。伊藤竜馬3回戦でトミッチに敗れたが、これでATPツアー2大会連続のベスト8。伊藤本人も「攻めのテニスをしなければチャンスがこないというのが分かってきた。勇気を持って攻めることがこれからも大切になってくると思う。自分を信じて前で前でボールを打っていけば、ベスト4、決勝と進むチャンスはあると思う」とコメント。ATPツアーで戦っていくために必要なことは何かをつかんだようだ。

この伊藤、USオープンにストレートインできるかどうかは微妙なラインにいるが、この調子を保っていれば、予選に回ったとしても昨年同様3回戦を勝ち上がる可能性は十分にある。ニューポート、そしてコロンビアで得た経験を生かして、本戦でも伊藤としては初となるグランドスラム2回戦突破を目指して欲しいところだ。
チャレンジャー初の準優勝でUSオープン予選への勢いをつけた
内山靖崇錦織と同じく、ジュニア時代にアメリカテニス留学をしていた内山靖崇。11年4月にプロ転向して以来、デ杯代表として起用され、14年はマウイ&トヨタとチャレンジャー2大会のダブルスで優勝。悪くはない戦績だが、本人的には「14年は目標としていたシングルス・ランキング200位以内が達成できなかった」(内山)ことが悔しかったようで、その原因を「フューチャーズでは勝てるけれど、チャレンジャー大会では上のランキングの選手を倒す力がない」と自己分析していた。

そして、その現状を打破するために内山が選んだのが、15年4月から拠点をスペイン・バルセロナに移すこと。『強い選手が集う厳しい環境に身を置くことでレベルを上げる』という道を選んだのだ。すると、その決断は早々に実を結ぶ。まず5月末に行われたスペインでのフューチャーズ(F15)で準優勝。その後、6月のブルガリアF2、続く札幌F8とフューチャーズ2大会連続優勝。

そして、大会のレベルをフューチヤーズから一つ上げて臨んだ7月のグランビー・チャレンジャー2回戦では、過去3戦全敗でまだ1セットも取れていなかった日本デ杯代表の先輩・添田 豪にストレート勝ち。内山靖崇これでさらに自信を深めた内山は、続くレキシントン・チャレンジャー準々決勝で西岡良仁(137位)をフルセットで下すと、準決勝では120位のフラタンゲロにフルセットで勝利。自身初のチャレンジャー大会決勝進出を決めた。決勝では96位のミルマンに阻まれチャレンジャー初優勝はならなかったが、この大会後の8月3日付ランキングは自己最高の211位に。「今までやってきた活動の自信と、『今の自分でチャレンジャーでも勝てるのか』という半信半疑の状態でしたが、気持ちが吹っ切れたおかげで思い切ってプレーできたのがよかったと思います」と内山。また、これでUSオープン予選への挑戦が可能に。USオープンの予選は、昨年、西岡良仁、ダニエル太郎と後輩が予選を突破しグランドスラム本戦初出場を決めた大会。今年は、内山がその流れに乗る番だ。