4月下旬、スペイン・バルセロナで開かれたウイルソン/アメアスポーツのグローバル・ミーティング。それは、世界中からスタッフが一堂に会する貴重なチャンスだ。そして、その地で錦織圭選手、グリゴール・ディミトロフ選手というスーパースター2人に話を聞く機を得た。彼らの「夢のラケット」とは?
―― 今シーズンの大会を見ているとテニスに安定感が感じられますね。
錦織「昔というか、去年とか2年前よりも全体的にですけど、安定感が増していると思います。凡ミスが少なくなってきたり、相手に簡単に勝たせないようになってきていると思うので、そこが一番伸びているところかなと思います」
―― 相手に簡単に勝たせない、取りこぼしが少ないというのはサーブの調子によるものが大きいですか?
錦織「あると思いますね。サーブとリターンはすごく、自分のゲームの中で1・2番に大事なので。その2つの調子が良ければ、リズムがうまく作れて、他(のプレー)も良くなってくるので、自然とですね。なので、サーブがしっかり入ることっていうのは、一番に重要なことだと思います」
―― 今季も目標といったら何になりますか?
錦織「うーん。まぁ、なるべくこのトップ4、トップ5に入っていけるようにすること。大きい大会で優勝することも、もちろんそうです。特にこの1、2年でマスターズの優勝だったり、グランドスラムでまた決勝に行けるくらいの爆発力を、ということは課題としてあります」
―― さて、その目標をもかなえられるかもしれない、夢のラケットがあるとしたら、どんなラケットが欲しいですか?
錦織「夢ですか? なんでも良いんですか?そうですね・・・僕の夢でもあるんですが、めっちゃくちゃ速いサーブが打てるラケットがいいですね(笑) ストリングスが伸びて、ボールをはじき返してくれるような・・・夢のような250キロのサーブが打てるようなラケットが欲しいですね!」
―― 時速250キロ! 正にドリームラケットですね(笑)
―― 今季は、モチベーションが高い状態をキープしているように見えます。
ディミトロフ(以下GD)「そうですね。今はとにかく毎日練習をしていて、日々上達しようと努力しているところです。昨年は、あまり良いシーズンではなかったのは、プレーについていろいろと考えすぎていたところにあると思っています。今は100%集中してテニスやフィットネスに取り組んでいます。僕は勝つことが何より好き。勝ちたいから、テニスをやっているわけですから。テニスはただやるだけでも楽しいですけど(笑)」
―― 確かに楽しいです(笑) では、最もエキサイトな対戦相手といったら誰ですか?
GD「ラファ(R・ナダル)ですね! 彼とのゲームは、本当に大好きなんです。僕はタフな相手と戦うのが好き。壁にぶつかっても、その壁を乗り越えたいのです。ラファとのビッグマッチは、僕が17歳の時(09年ロッテルダム大会)で、2回戦でラファと対戦。結果的に負けましたが、ファイナルセットまで行ったんです(●5-7、6‐3、2-6)。あの試合は、特に忘れられません」
―― では、もし「魔法のラケット」があるとしたら、どんなラケットが欲しいですか?
GD「ん~、僕はアニメの『バットマン』が大好きなので、スーパーヒーローになれるんだったら、絶対バットマンになりたい。だから、理想のラケットにはコウモリのデザインがあしらわれていたり、翼の絵が描いてあったりがいいですね(笑) ラケットからナイフとかが飛び出てきて、サムライのようにボールを真っ二つに切れたりしたらおもしろいな!」
―― サムライですか!?(笑)
GD「そうだよ。僕は〝サムライ〟の大ファンなんだよ! 昔から、サムライが大好きなのさ(笑)」