マッチポイント、ロジャー・フェデラーがセンターにサーブを放つ。ナダルのリターンがベースラインを超える――この瞬間、2006年以来3度目となるフェデラーのマイアミ・オープン優勝が決まった。 「"私の夢"は続いている。この地(マイアミ)で、素晴らしい時間を過ごせた」とスピーチでフェデラーは語った。
インディアンウェルズ、マイアミと続く2つのATPマスターズ1000を連覇することを、"サンシャインダブル"と呼ぶ。フェデラーは05年、06年に続き、3度目のサンシャインダブルだ。
特筆すべきは、4週間を戦い抜いたということ。その肉体は"25歳レベルにある"というのも納得がいく話だ。欠場者も出たとはいえ、『今、最も強いのは、ロジャー・フェデラーである』、そう言い切っても異論はないだろう。
今季19勝1敗という圧倒振り。その秘密はどこにあるのか?
一つは先ほども触れたフィジカル面、そして注目すべきが彼のギアである。
現在、使用している「PRO STAFF 97 RF AUTOGRAPH」は、フレームに"CO-DESIGNED WITH ROGER FEDERER"と刻まれているとおり、フェデラーがウイルソンと共に作り上げたモデルだ。基本的にはフェデラーが「パフォーマンスに満足している」と語った前作モデルを踏襲したモデル。だが、大きく異なる点がある。それが、ベルベットペイント(コーティング)が生み出す手触り・感触である。
「プレー中、ラケットと私の腕は一体化していなければならない。だから、私にとって感覚はとても大切な部分。だからこそ、感触にこだわった」と共同開発者。ありえないほど速いタイミングでさばくライジング、鋭角に切り裂くバックハンド、ダウン・ザ・ライン...あらゆる場面でプラスに働く。だからこそフェデラーは"わずかな感触の違い"にこだわったのだろう。
そして、そのコントロールに直接左右する、ストリングにも変化がある。「CHAMPION'S CHOICE DUO」として市販されているフェデラーが使うハイブリッド用ストリングだ。そのナチュラル・ストリングは、新"ウイルソン・ナチュラル16"。有機牧草で育てられた牛の腸から作られたウイルソン・ナチュラルは、高品位かつテンション維持、打球感に優れているというのが特徴。
コンディション、ラケット、ストリング、プレーを高めるためピースをはめ込んできた。その結果が、今シーズンの結果と言える。 全仏に出場(予定)後、"今季最大の目標"と語るウィンブルドンに挑む。フェデラーが語る"私の夢"、それは聖地での8度目の優勝だ。今の状態を見れば、その確率は高い。誰もがそう思うはずだ。
R.フェデラー 使用ラケット / 使用ストリング
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- Pro Staff
RF97 Autograph
- 価格: 40,000円(税抜き)
フェイス面積: 97sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 340g
Av.バランス: 30.5cm
フレーム厚: 21.5mm
グリップ・サイズ: G2,G3
ストリング・パターン: 16×19
適正テンション: 50-60p
※ミニヒストリーブックレット、ポリバッグ付き
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