テニスのギアで、こだわっているものは何だろうか。ラケットやシューズ、ストリング、ウエアやスポーツグラスも大事なギアではある。では「テニスボール」には、どんなこだわりがあるだろうか。
テニスをプレーするうえで、ボールはもちろん不可欠だ。しかし、それだけに出費も大きいのは実情である。そこで一般プレーヤーの味方になるのが、コスト・パフォーマンスの高い4球入りのタイプで、プラクティス・ボールと言われるものだ。ウイルソンの「ツアー・スタンダード」だけでなく、各ブランドからリリースされている。では、その4球缶、いったいどのような基準で選んでいるだろうか?
今回、「高校部活の合宿でのハードコートで1日使用」、「スクールでの1ヵ月・2ヵ月使用」など、さまざまな条件で、各社の4球缶ボールの耐久テストを行った結果、判明したのがウイルソン「ツアー・スタンダード」の耐久性の高さである。
テストしたボール | フェルト | フェルト 耐久性 |
ロゴ 耐摩耗性 |
空気圧 耐久性 |
発色 維持 |
TOUR STANDARD | 毛足長め |
より良い | 良い | 普通 | 悪い |
A社4球入りボール | 毛足長め |
悪い | かなり悪い |
普通 | 普通 |
空気圧に関しては、どのブランドのものも差はなかった。しかし、フェルトに関しては、顕著に違いが生じている。現在の市場で支持のあるA社のボールのフェルトが薄くなっていたのに対して、ウイルソンは『フェルトがより多く残っていた』のだ。前者のロゴ印字がかなり薄れていたことも追記したい。テニスボールは、フェルトがあることで「スピンをかけることができ、飛びすぎを抑えることができる」。つまり、フェルトがなくなったボールでは、テニスはできないということだ。
ウイルソン「ツアー・スタンダード」の強みは、もう一つある。『撥水性の高さ』である。オムニやクレーコートだと、少々の雨、または雨のあとでもプレーをする場合がある。そういった際の撥水性でも「ツアー・スタンダード」は強みを発揮している。唯一A社のほうが良いと言えるのは、黄色の発色のみである。つまり、見た目ではなく、ボールの耐久性では、ウイルソン「ツアー・スタンダード」が上ということ。実は、同モデルは日本の使用条件に合わせて作られたのだから、結果も納得である。
ボールを選ぶなら、何を基準に選ぶかを改めて聞いてみたい。賢い選択をすれば、より快適に長くプレーができるのだから、自ずとその答えは決まってくるだろう。
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