テニスメーカーの雄・ウイルソンからは様々なタイプのラケットがリリースされているが、ウイルソン契約プロ選手の使用率を見た時、実に60%と半数以上のシェアを誇るのがBLADEシリーズだ。楽天ジャパンオープンで来日していたラオニッチ、モンフィス、ツルスノフ、ブランズ、女子ではウイリアムズ姉妹、ロブソンなどがBLADEを愛用している。
こうして男女問わず色々なタイプの選手から支持されているのは、『トリプル・ブレード製法』と『X LOOP』による独特の“しなり”と“ホールド感”によるものが大きい。特に、ラケットヘッド部分とスロート部分をねじれ形状にした『X LOOP』は、インパクト時に適度なしなりを生み出し、その後“うねる”ように復元するという機能。その感覚が“ホールド感”につながるとともに、トルネードのような復元力がボールにパワーとスピードを与えるため、選手から『思い通りにパワーショットを打てる戦闘力の高いラケット』として評価されているのだ。
このBLADEシリーズのうちフラッグシップとなるモデルBLADE 98には、これまで18×20と16×19と2つのストリングパターンが用意されていた。18×20のほうはラオニッチやモンフィスが使用するモデルで、厚い当たりでパワーボールを打つタイプの選手が好むラケット。16×19のほうは以前STeamを使っていた内山靖崇が使用を開始するなど、新たにBLADEシリーズを使い始めた選手がチョイスするケースが多い、パワーとコントロール性を兼ね備えたモデルだ。
そして来月11月、このBLADE 98に新たなストリングパターン、18×16のモデルBLADE 98 Sが加わる。縦糸より横糸のほうが少ないこのストリングパターンの特徴は、ボールに回転がかけやすいこと。テニスでは、サーブにおいてもストロークにおいてもフラットで打てばスピードを出すことができるが、少しの打点の違いがミスとなり、また角度をつけると球足が長くなりアウトするのがフラットのデメリット。そこで、展開力を上げ同時にコントロールを安定させるには、スピンやスライスといった回転をかけることが必要になるのだが、その時に威力を発揮してくれるのが18×16のストリングパターン。
表で示しているように、18×20、16×19に比べボールに回転をかけやすいため、いつもと同じように振るだけで自然とラケットがプレーのレベルを引き上げてくれるのだ。
ストリング パターン |
18×20 | 16×19 | 18×16 |
スピン 回転量 |
1306.8 | 1372.1 | 1479.4 |
回転量 の差 |
-- | +65.3 | +172.6 |
回転量 の%向上 |
-- | +5% | +13% |
スピード (m/s) |
29.77 | 30.07 | 30.08 |
射出 角度 |
9.16 | 9.75 | 10.55 |
また、18×16のストリングパターンにしたことにより、もともとBLADEの持ち味だった『しなり感』がさらにマイルドになり、ボールを捕まえてから飛ばすという感覚をさらに鋭く生かせるようになった。「ボールの出し入れをして全体的にプレーの幅を広げたい」というこだわり派プレーヤーに、ぜひ有効活用してほしいのがこのBLADE 98 Sなのだ。
ラオニッチ | モンフィス | ツルスノフ | ブランズ |
S.ウィリアムズ | V.ウィリアムズ | ロブソン |
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