ウイルソン使用プロの支持率No.1 新たな価値観からスタンダードへと 地位を確立したBLADEシリーズ

ウイルソン使用プロの支持率No.1 新たな価値観からスタンダードへと 地位を確立したBLADEシリーズ
ウイルソン使用プロの支持率No.1 新たな価値観からスタンダードへと 地位を確立したBLADEシリーズ


BLADE"BLADE"とは、「ナイフ」「剣客」「羽根」といった意味を持つ言葉。その初代モデルが、ウイルソンのヒストリーに加わったのは2006年のこと。「nBLADE」が発売されてからだ。

BLADE位置づけとしては、新たなツアー系モデル。フェデラーのPRO STAFFや錦織圭のTOUR(現BURNの前身)などが当時ラインナップされていたツアー系モデルに"新たな価値観"をもたらそうというものだった。コンセプトとしては「しなり」「フィーリング」「パワー」。いかにして、それを生み出したか。

BLADEその秘密がX LOOP(エックス・ループ)設計にある。ボックス形状とラウンド形状の双方の特徴を兼ね備えたフレーム(断面はアルファベットのDの形)を、ヘッド部とシャフト部で反転させたもの。シャフト部はしなり、フェイス部はひねりを発生させる。BLADEそしてインパクト時にそれらを一気に復元させることで、まさにトルネードと呼ぶにふさわしいパワーを生み出す。ソフトなフィーリングながらもパワフルかつ強力なスピンの効いたボールを可能にするのだ。...といってもわかりづらいかもしれない。簡単に言うと、ボールを捕らえた際、どんなラケットでもボールの力によってフレームはしなり、また内側にたわむ。BLADEは、その"しなり"と"たわみ"を計算したうえで、パワーに変換できるよう設計されているわけだ。

2006年に発売された初代モデルはあの世界No.1プレーヤーがウイルソン契約時に使用していたモデル。その2年後には、よりパワーを発揮する強靭な素材「カロファイト・ブラックを搭載した「[K] BLADE」が発表される。ここから一気にツアーでの使用率は跳ね上がる。そして2011年に"より良いフィーリング"を実現するバサルト・ファイバー使った「BLADE BLX」が発表される。さらに2012年にはダブルブレード(2重編みこみ)からトリプルブレード製法(3重の編みこみ)に大きく進化する。これにより打球感に粘りが生まれ、BLADEが持つ独特の「しなり×ねじれ」が大きくなった。BLADE

BLADE2014年には同名にして後継モデルの「BLADE」が発売になるが、内容は大きく進化しており、トリプルブレード製法の編み目を粗くし、ボールのくわえ込みを高めたモデルとなっている。BLADEとは、その独特の"しなり×ひねり"が生む打球感を踏襲しつつ、歴代5モデルがその歴史に名を刻んでいるのだ。

BLADEマテリアルが変わることで、ラケットはその進化を遂げていく。その点はBLADEの歴代モデルも同様だった。ただ、進化をとげていきながらも変わらないものがある。それこそがX LOOP設計、そして、それが生み出すトルネードパワーなのだ。

初代モデル発売当初、ツアーの中で使用するプロ選手は限られたものだった。それから約10年が経過。セリーナ・ウイリアムズ、ビーナス・ウイリアムズ、ミロス・ラオニッチ、ガエル・モンフィス、ダビド・ゴフィン、アンドレイ・クズネツォフ... 今やウイルソンを使用するプレーヤーの中でBLADEは使用率No.1に。"新たな価値観を"と作られたモデルが今や支持率No.1というわけだ。

ラケットがしなり、パワフルな打球が打て、なおかつ繊細な打球感が醸し出せる。もちろん、一般プレーヤーだって、その恩恵にあやかっているはずだ。

鞭のような柔らかさ、ナイフのような切れ味-BLADE-の歴史はこれからも刻まれ続けていく。