錦織 圭の要望で開発されたカウンターベイルこそ、BLADEにも搭載された"新素材"だった。実は、この新しいカウンターベイル搭載BLADEをいち早く使用していたプレーヤーがいる。それこそ、今年、最終ランキグを3位まで上げたミロス・ラオニッチである。
その誕生から10年が経過。BLADEの6代目計6モデルが、いよいよ12月より順次、リリースされる。「しなり」「柔らかさ」「パワー」、という3要素を体現する新たな価値観のツアーモデルとして作られたBLADE。今となっては、ウイルソン契約プロの中では使用率No.1のモデルである。その1人こそ、ミロス・ラオニッチである(BLADE 98 18x20 COUNTERVAILを使用)。
2016年最初の大会となるブリスベン国際では、決勝でフェデラーを破って優勝。ウィンブルドン、クイーンズ大会、インディアンウェルズ・マスターズでは準優勝。2年ぶり2度目となるATPワールドツアーファイナルズに出場を果たすなど、結果を残した1年となった。
実は、今回、リリースされたばかりの6代目BLADEを、ラオニッチは、1月の全豪オープンから使用していたのだ。2015年、ラオニッチは手術した右足に加え、背中の故障を抱えるなど、ケガに泣いたシーズンとなった。新シーズンにあたり、「少しでも身体に負担をかけたくない」と考えるのも当然。そのニーズに対して、ウイルソンが提示したのが、開発されたばかりの新素材"カウンターベイル"搭載ラケットだった。現行モデルのコスメを配したラケットが完成し、実使用を始めたのは、何と全豪オープンの3日前。それでも、「素晴らしい感触だった。新テクノロジーを信じて(新しいラケットで)4大大会に臨んだ」(ラオニッチ)のだという。
そして、新しいBLADEを使い始めたラオニッチにまつわる3つの数字がある。それは「4」、「210」、「0」だ。
まずは 「4」、これは2016年の5セットマッチで、フルセットで勝利した数である。2010~2015年までのキャリア通算が4勝だから、今年1年でキャリア通算と並んだわけだ。次の「210」は、フルセットまでもつれたウィンブルドンの4回戦(ゴフィン)、準決勝(フェデラー)の両試合での第5セットの平均サーブ速度。試合終盤でも、序盤とほぼ同じ速いサーブを打てているのだ。疲労が蓄積していては、出せない速度だ。
そして「0」は、昨年まで右腕に巻いていたアームスリーブを付けた数。筋肉疲労を軽減させるためのサポーターだが、カウンターベイル搭載の新しいBLADEを使うことで、アームスリーブを付ける必要がなくなったというわけだ。
「新テクノロジー搭載によって、腕への負担が減ったような気がします。実際に5セットマッチを何試合か今年戦っていますが、終盤でも力強く、そして気持ちよくラケットを振れています」。ラオニッチも、カウンターベイルの効果を実感しているわけだ。
また、新しいBLADEには、先日発表された新しいPRO STAFFシリーズに使われている最新のコーティング技術「ベルベット・ペイント」が使われている。
「マットなペイント仕上げの手触りも良く、特にラケットのスロート部分の手触りがいい」「ムダなものが削ぎ落されました。今回のラケットには美しさがありあます。そしてこれがラケット本来の姿です。トップ選手や目指している選手、また始めたばかりの選手たちには、絶対必要な要素が詰まったラケットだと思います」と、ラオニッチは、そのデザイン、コーティングについても語っている。
そして今年、自身最高である6位までランキグを上げたガエル・モンフィスも「これまでとはまったく違う」「このデザインや色合いが気に入っています」と語っています。
2016年、結果を残したラオニッチ。同じく躍進したガエル・モンフィスとダビド・ゴフィン[共にBLADE 98(18×20)]。さらにはグランドスラム23勝を誇るセレナ・ウィリアムズ[BLADE SW104 AUTOGRAPH]など、ウイルソン契約プロで、BLADEを使用している率は最も多い。つまり来年のツアーは、新しいBLADEが席巻することになりそうだ。
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