錦織が今シーズンから使用を開始したBURN 95は、錦織から「もっとボールにスピードが出るラケットが欲しい」というリクエストを受けてウイルソンが開発した新ラケットだ(2月下旬発売予定)。これまでウイルソンの素材としていちばん剛性が高かったのは≪バサルトファイバー≫なのだが、それよりフレームの変形率が抑えられる新素材≪ハイパフォーマンス カーボンファイバー≫をフェイス面の内側に使用。それにより、錦織の「スピードアップ」という要求に応えたもので、実際に錦織も「サーブのスピードが速くなった」とコメントするなど、新ラケットの効果を実感している。しかし、このBURN 95は、世界トップとして戦う錦織のために開発されたものであり、そのスペックはノーマルラケットよりも0.25インチ長い27.25インチのフレーム長で、ウエイトは309g、ストリングパターンは16×20とクロス側が密になっていて、一般プレーヤーが自分のものとして使い切るにはそれなりのレベルとパワーが求められる。
そこで『もっと操作性がよくて、一般プレーヤーも使いやすいもの』というコンセプトでラインナップされているのが、4機種のBURN 100シリーズだ。『ハイパフォーマンス カーボンファイバーを使ってスピードアップさせる』という狙いは錦織のBURN 95と同じなのだが、こだわったのは、フェイス面を100平方インチ、フレーム長を27インチと振り抜き感のいいスペックに固定し、その上で色々なウエイトやストリングパターンを組み合わせて≪プレーヤーのレベルやパワーに合ったラインナップを揃えた≫こと。具体的には、303gでストリングパターンが16×19のBURN 100を筆頭に、同じ303gで18×16と横糸が縦糸より少ないS(スピン)ラケBURN 100Sを用意し、283gと軽量で18×16とSラケのBURN 100LS、さらに軽い263gで18×16のBURN 100ULSの4モデルを用意。最後のBURN 100ULSは26インチラケットを卒業したジュニアの入り口としても使えるなど(特にBURN 100ULSは23,000円と価格的にも魅力)、幅広いニーズに応えるシリーズとなっている。
また、このBURN 100シリーズがユニークなのは、フェイス面の左右(3時9時方向)に大きい形状が採用されていること。同じ100平方インチのものと比べると、いわゆる卵形ではなく丸形状に近いものになっているのだが、これは≪現在の競技系プレーヤーはスピン回転をかける傾向が強く、ヒッティングポイントがフェイス面のサイドにズレやすい≫というデータが出たため。その現在のプレースタイルの特性を反映するために、フェイス面のサイドをふくらませた丸型に近いフェイス形状としたのだ。そうしてフェイス面のサイド部分を有効に使うため、BURN 100シリーズでは、BURN 95についているPWSを廃止。その代わりにフレーム厚を23-25-23mmとデュアルテーパーにして(BURN 95は22mm均一)、PWSと同じフェイス面の安定性の高さを確保しているのだ。 こうして体格、プレーレベルに合わせた4モデルがラインナップされているのがBURN 100シリーズ。あなたにピッタリの一本を見つけられるはずだろう。
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