ウイルソンのラケットの中でも、ベースライナー向けに特化されたBURN。中でもデュアル・テーパー・ビームの"Sラケ"3モデルが、ついに披露された。BURN 100S、BURN 100LS、BURN 100ULSである。この3本は高い軌道を描き、ベースライン際で急激に落ち、高く跳ねる、そんなボールを打つためのモデルである。
世の中には、さまざまなニーズに応えるラケットが存在する。それはウイルソンしかり、他メーカーしかり。その中で、特に高いニーズの一つが<スピン(回転)性能>である。
2017年1月から順次発売となる新しいデュアル・テーパー・ビームのBURN 100シリーズの特徴こそが<スピン(回転)性能>だ。"本当にスピン(回転)がかかるのは、このラケットである!"、そう言い切れるだけの理由がある。
スピンは、ストリングとボールが接触した際に起こる、縦糸がずれて戻る現象(スナップバック)が生じることで、かかることがわかっている。このスナップバックが、より大きくずれ、速く戻れば回転量もUPするという実験結果が出ている。
それを実現したのが、新しいBURN 100シリーズに搭載された「スピン・エフェクト・テクノロジー」である。横糸の本数を縦糸より少なくすることで、ストリングのズレ幅が3.3倍増となり、戻る速度も69%UP、回転量も10%UPする実験結果が出ている。
またデュアル・テーパー・ビームのBURN 100シリーズモデルは全て、フェイスが丸いラウンド形状となっている。これは横糸の長さを長くする効果があり、スナップバックを大きくすることにつながる。さらに、この形状はスウィートエリアをラケット上下(12時、6時方向)ではなく、ベースラインプレーヤーがスピンをかける際に求める、ラケット左右(3時、9時方向)方向に広げる効果がある。
さらに、新しいBURN 100シリーズは、前作同様にデュアル・テーパー・ビームで作られている。それは、中央のフレーム厚が厚くなっているひし形状のフレームのこと。フレーム厚は23mm‐25mm‐23mmという数値になっており、しなりを抑制し、パワーのロスを減少する仕組みとなっている。その分、ボールをより強く叩くことも可能なラケットとも言える。
ここまでスピン(回転)性能を高めるために特化されたラケットだからこそ、"本当にスピン(回転)がかかるのは、このラケットである!"と言い切れるのだろう。もちろんスピン(回転)性能が向上するということは、打ち出し角度が高くなるのでネットミスが軽減され、またベースライン際で急激に落ちるためアウトミスが軽減される。更にそのボールは高く跳ねるため、攻撃力が上がると、良い事づくしなのだ。もちろんこの回転が生み出す効果はトップスピナーだけのものではなく、攻撃的なスライスショットやサーブ、ボレーの際にも感じ取れるだろう。
新しいBURN 100シリーズは、すべて「スピン・エフェクト・テクノロジー」を搭載した通称Sラケと呼ばれる全3モデル。
BURN 100S CVは、100平方インチ、300g(バランスは32.0cm)という黄金スペック。そしてNASA公認の衝撃吸収性能を発揮するカウンターベイルを搭載したモデル。
BURN 100S CVを少し軽量にしたのがBURN 100LSで、100平方インチ、280g(バランスは32.5cm)のプラチナスペックとなっている。
BURN 100ULSは、100平方インチでさらに軽い260g(バランスは33.0cm)。こちらは、ジュニアはもちろん、非力な女性でも、しっかりスピンがかかるモデルだ。
今年、3大会で優勝し、WTAファイナルに出場するなど躍進のシーズンとなったシモナ・ハレプ(ルーマニア※BURN 100Sスペックのラケットを使用)のプレーを見たことがあるだろうか。身長168cmは女子選手の中では、小さな部類に入る。だが、機動力を生かし、小さな体全体を生かして爆発的なストロークを放つ。パワーロスが少なく、スピン性能が高いという、BURN 100Sの性能を彼女は十二分に引き出している。
18×16のストリングパターン、パワーのロスが少なく、スイートエリアも左右に大きい。打ってみれば、バンとボールが走り、グインとボールが落ちていく、そんな打球がBURN100シリーズの持ち味だ。
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