スペック自体に大きな違いはないものの、BURN 100S CV(以下100S)は、Sラケ(スピン・エフェクト・テクノロジー)で18×16というストリングパターン。それに対しA社のラケットは16×19というのが異なるポイントだ。スピンということでは、A社のものは、ボールを捕らえた際にジョリっという感覚がある。ただ弾きがいいので瞬時にスピンをかける感じ。うたい文句どおり、ヘッドが走る感覚があるので、スイング速度でスピン量を高めるんだな、と思う。
一方の100Sは、ジョリっという感覚はあまりない。ところが、ボールは、A社のラケットで打った軌道より早く落下を始める。思った以上にスピンがかかるということだ。スナップバックを効果的に発生させるSラケだからなのだろう。【編集(川)】も「ボールが急に落ちる感覚がある」と語っている。ちなみに、薄目のセミウエスタン・グリップに握り替えてフラットぎみに打っても"ヒュン"と落ちる感覚があるので、グリップを問わず、スピンはかかる。当然ミスも減るはずだし、強気のショットも入りやすくなるだろう。100Sはボールをつかんでから離すようなホールド感があるのも心地よい。
また、ガンメタリックのフレームは、フローズンスモーク・ペイントによるザラッとした感覚で、汗をかいた手で触っても、滑ることなくラケットを持ち続けることができる。とても良いフィーリングだった。
A社のスピンラケットとBURN 100S CV(以下100S)は、フェイス面積(100平方インチ)、ウェイト、バランスはまるで同じ。フレーム厚も、A社の最厚部が1mm厚いだけ、と数値上は非常に似ている。だが、打ってみるとその特徴は異なっていた。
A社のものは、まず剛性が高いのか弾きがよく、ハードに感じる。振り抜くことでスピンをかけるラケットだと思う。だから、とにかくスピンをかけたいプレーヤーに適しているのではないだろうか。100Sに持ち替えて、同様に振るとかなりのスピンがかかる。それくらい、100Sのスピンはかかりがいい。フラットやライジングと速いテンポのテニスをしても、ナチュラルにスピンがかかるので「ミスを少なくしたい」「高い弾道でラリーをしたい」という人に向いていると思う。また、100インチだが、横に大きい丸いフェイスなので、打っていてボールを捕らえる安心感がある。100Sは、より多くのプレーヤーが使えるラケットだと思う。
自身が300g超のラケット好き(注意・ばっちり打てるとは言っていない)としては、280gは軽すぎると思ったのだが、実際に打ってみると、軽さはそれほど気にならなかった。というのも、パワーもあるし、打ち味も100Sとほぼ同じだからだ。飛ばそうと思えば、ポンとボールを弾くことができるので、苦しい体勢でのショットをコントロール重視で打つことができる。女性やジュニアなど、ちょっとパワーに不安があるという人には最適な一本だと思う。
100LSは、スイングしてみると、しっかりとした重さがあって気持ちよく打てた。軽さの分、スイング速度が上がるのか、フラット系のボールも打ちやすいし、トップスピンのボールは、伸びるように感じた。またスライスサーブ、スピンサーブ共に、速度・キレが増したように思う。かけた感覚以上に、スピンがかかっている感じは、100Sの特徴をしっかり継いでいると思う。
260gは、とにかく軽い!!これくらいの重量のラケットの場合、とにかくよく飛ぶ"カットビ系"が多いのだが、100ULSは100Sの性能を忠実に残して軽くした感じ。ストローク、サーブ共に良い感覚で打つことができる。個人的には100ULSで打ったバックハンドスライスの伸びが非常によかった。3本を打ち比べて思ったことは、年齢・体力を考えて、試合中、疲れに応じて100S→100LS→100ULSと使い分けられたらいいなぁ...ということ。余裕があれば(笑)
軽いラケットはやっぱり飛ばしやすい。打球感は、100S同様にもっちり柔らかい感覚で、気持ちよくプレーできる。競技志向の方でなくても、いいボールが打てるラケットだと思う。そして、260gという数字を見ると、さすがに軽すぎるのではないかと躊躇するかもしれないが、中級・上級で草トーに出るような方(特に女性)は逆にアリかもしれない。操作性もいいし、ネットプレーも良い、サーブもとても打ちやすいからだ。フレームが軽い分、助けられる場面が数多く出てくると思う。
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