前作のオートグラフも打っているが、まず持って構えた時の感覚はよりシャープに感じる。加えて、コントロール性能が前作より良くなっているように思う。それが「VELVET PAINT」の効果なのかはわからないものの、そこは顕著に感じた。
フェデラーがこだわった肌触りだが、まず汗をかいて濡れた手で触っても、いつでもドライな感覚を得られるのはいいところ。340gは、決して軽くはない。だがバランスもいいので、そこまでの重さを感じないのが本音。ヘッドを走らせ、前で捕らえれば、コレだ! という快感の打球感を得られる。サーブ、ストローク、バックハンドスライス、ボレーと、一通りのプレーで「プロ・スタッフってコレだよね」と感じるはずだ。
また実際のラケットを見れば、作りの質の高さと高級感を感じられる。正直なところ、買いたくなるラケットだ。
Sラケではないので、自分でスピンをかけられる人がいいだろう。しっかり捕らえた時のボールの伸びは、自分でも驚くものだし、その打球感はプロ・スタッフならではのものだ。オートグラフよりは軽いものの、それでも315g。かといって、過度な重さは感じないが、若干軽い分、ボールは叩いていきやすい。
また、レーザーによって彫られたPro Staffの刻印は、指を乗せた際に目印となり、フェースの角度を調整しやすい、というのは発見だった。
ディミトロフやドルゴポロフなどの使用が予想されるのが97S。前作から、このラケットはバランスポイントを手前に1cm寄せている。それと、フレーム厚が19.5mmと薄目で、その効果か、振り抜きの鋭さを感じた。振り抜きの良さは、ストリング・パターンと相まってスピンの質を高めている。打っていて「やっぱりスピンをかけやすい」と感じることができた。この長所はフラットに叩くのもありだと思う。直線で打ったボールも、ベースライン付近で落ちてくれるので、相手はとても嫌がるだろう。ブラックに映える刺し色のレッドもクールだ。
290gのSラケバージョン。オートグラフと比べると50gも軽いわけだが、ボールを打てば納得のラケット。プロ・スタッフらしい気持ちいい打球感を感じることができる。また、インパクト時の面安定性は高いので、軽さのデメリットは感じられない。トップスピンもグイッとかかる感じで、振り抜きの良さからか、ボールはバウンド後に加速するような球筋だ。重量は290gと軽いので、ラケットの振りやすさも感じる。97LSであれば女性や中高年プレーヤーの武器となるのではないだろうか。
270gとジュニアでも使えるプロ・スタッフ。フレーム厚23mmということもあって、軽くはあるが、インパクトで"バン"と鳴る強いボールを弾きだしてくれる。打球感は、軽い分、上位モデルの感覚とは少し異なるが、まさに軽量プロ・スタッフという感じで気持ちがいい。
個人的にもいいなと思ったのは、軽さと取り回しの良さで、足元のボールやライジングが打ちやすい。まさにユーティリティーなプロ・スタッフで、プレーを助けてくれるラケット。Sラケだからスピン性能も高いので、比較的厚いグリップが多いジュニアにも適した1本だと思う。もちろん、薄目のグリップの大人でも、しっかりスピンがかかるのは感じることができるはずだ。
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