ウィンブルドン2017で、悲願だった8度目の優勝を果たしたロジャー・フェデラー。その彼が使うラケットは、ご存じ「PRO STAFF RF97 AUTOGRAPH」である。
彼が共同開発者となった現PRO STAFFラインは、「UNCONTAMINATED DESIGN(何も汚染されていないデザイン)」をコンセプトにした"タキシード・スタイル"。特殊コーティングのベルベット・ペイントも特徴だ。「PRO STAFF RF97 AUTOGRAPH」のほか、「PRO STAFF 97」(R.バウティスタ・アグ、A.ルブレフ、P.クビトワがそれぞれ使用)、「PRO STAFF 97S」(G.ディミトロフ使用)が、トッププロも使用するモデルだ。そして、そのプロスペックの魅力を落とし込んだモデルが、「PRO STAFF 97LS」、「PRO STAFF 97ULS」である。
フェデラーのDNAが注ぎ込まれたPRO STAFFシリーズは、大復活を遂げているフェデラーの影響もあって、いずれのモデルも人気を博している。その中で、今回注目したのは、高い評判でウワサの「PRO STAFF 97LS」。
97平方インチ、長さは27インチ、平均重量290g、フレーム厚23mm、平均バランス32.5cm、ストリング・パターンは18×16のSラケ*...軽くてスピンがかかるPRO STAFFだけに、競技志向の女性プレーヤーや中年男性プレーヤーの支持を得るのも理解はできる。
*スピン・エフェクト・テクノロジー。回転のメカニズム、ストリングが動いて戻るスナップバック現象を最大限に発生させるテクノロジー
テニスクラシックの連載でもおなじみ、ウイルソン・グローバル契約ストリンガーの細谷理氏(オンコートラケット)も「PRO STAFF 97LS」を推す一人だ。
「PRO STAFF 97LSは、軽くてスピンがかかるということが一つの魅力。パワフルに打ちたいという女性に人気で、ブラックのコスメもとても好評です。そのフレームとの組み合わせで人気なのが、ルキシロン『エレメント』。ポリとしては軟らかくパワーもあるし、耐久性もある。万能なエレメントが、フレームとの相性で、高いパフォーマンスを発揮するので、オススメです」
ナイロン・ストリング(NXT)、ポリ・ストリング(エレメント)を張った「PRO STAFF 97LS」を、テニスクラシック編集部(広)&(川)が打ち比べてみた。
まずはその軽さ、振り抜きの良さを感じる。「PRO STAFF RF97 AUTOGRAPH」を使っている(使いこなしているとは言っていない)ので、50gの重量差は歴然だ。打ってみて思うのは"オレ、これでもいいんじゃないか!?"ということ。プロスペックには憧れるけど、正直、いい体勢でないと使いこなせない。なら、プロスペックに近い「PRO STAFF 97LS」は、賢い選択だと思う。
さて、ナイロンのNXTだが、コレは嫌いな人はあまりいないはず。柔らかくもっちりボールを掴む感じは、PRO STAFFの打球感を助長してくれて気持チヨシ。さらに、Sラケはやっぱり思った以上に、スピンがかかるので、アウトかなーというボールがシュンと落ちる。
そして! ポリのエレメント。ビックリした!! 軟らかさは、まるでナイロン。だけど、飛びや音はポリなのだ。思った以上にスピンがかかるので、厚く当てる意識を強めると、わっ! と驚くボールが出る。フラットやスライス(厚め)のサーブなんかも、かなり気持ちよく打てる。この組み合わせは、イイ! 細谷さんの言うとおり、フレームとのバランスがバツグンなのだろう。
290gという重量もあってか、軽く感じ、スイング速度もアップしたように感じた。そして、その分、スピンがかかるというのも打ってみての感想。そしてプロスタッフ特有の打球感は、「PRO STAFF 97LS」でも健在だ。
まず、NXT(ナイロン)を張ったラケットを打ってみて、特徴として感じたのはいい意味でスイングなりのボールが打てるということ。スイング速度が早く感じるので思った以上に叩くこともできる。ベースのストリングとして、これはありだなと感じた。そして、次にポリのエレメントを試打! まず感じたのは「すごく軟らかい」という感覚。ポリじゃないみたい、その分、ボレーやドロップショットなど、タッチ系のショットの距離感が出しやすく感じた。また、ボールをしっかりホールドし、スピンをかけられるので、生きたボールが打てるなと思う。これなら女性でも厚い当たりの強打が打ちやすいと思う。スピンもホールド感も、柔らかさもある。「PRO STAFF 97LS」×「エレメント」は、本当にオススメしたい組み合わせだと思う。
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