7月1日、新しいプロスタッフシリーズが発売に! すでに話題となっている新モデルは、どんな打ち味なのか!?
おなじみ、テニクラ試打隊1号(広)、2号(川)が登場。新旧PRO STAFF3モデル計6本を一気打ちしてみた。気になる「フェデラーにしかわからないかもしれない変化(フープ部分のフレックスを柔らかくしている)」、そして新コスメ、実際に打ってみるとどんな印象なのか!?
今回は、縦にウイルソンナチュラル×横にルキシロンのアルパワーラフ、フェデラーが実際に着けている場所にエラストクロスを付けるという、フェデラーのセッティングを用意。個人的にも使っているラケットなので、その違いは人よりわかるかも!?と思いながら、いざ試打へ!
最も注目されるフープ部分のフレックスの変化だが、新作のほうが、「打球感がわずかに軽くなっている」。ボールを捕らえた際にわずかにボールの重さが軽く感じるイメージだ。それこそが、フレックスの変化ではないだろうか?イメージより1~2mほど、飛距離が伸びる。スイートスポットで捕らえた時は、それほど感じない。タイミングが遅れたり、力あるボールに押されたりした際、スイートエリア、オフセンターで捕らえた時に、想像より球が飛んでくれる。〝回り込みフォアの際に、もう少し飛んでほしい〟というのがフェデラーの要望だったが、我々一般プレイヤーにとっては、「助かった」というシーンが増える気がする。ちなみに、新旧モデルで、ポンポンとボールを突いてみると、同様の弾きが感じられるし、新作のほうが打球音が低いというのも違いだ。
特に素晴らしかったのはサーブ。その重量もあってガシっとボールを掴んで弾いてくれ、ボックス形状のラケットならではの速度と回転を制御しやすいボールが飛んでいった。
340gは普通身構える重さだ。ただ、使ってみたらわかる。バランスポイントが30.5cmとやや手前にあるため、意外とスイングしやすい(とはいえ、使っていくには慣れが必要)。私のような一般プレイヤーでは、どうしても準備が遅れがちだが、そういったときも“わずかにボールが伸びる”、その感じは大きな助けになると思われる。とりあえず、新しいプロスタッフが欲しくなった試打だった。
今回の試打で一番打ちたかった「PRO STAFF RF97 AUTOGRAPH」。フェデラーが細部にまでこだわり、より完成に近づいたラケットというからテニスファンとしては一度打ってみたいところだった。
実際に打ってみると、新モデルの打ちやすさに驚いた。その理由は、“打感”の違いだ。前モデルはボールを弾くような感覚があったが、新モデルではボールをつかんで、持ってくれるような感覚があった。フレーム自体の柔らかさも感じ、前モデルにあったハードな面もなくなり、丸くなった印象を受ける。ボールをつかんでくれる分、飛びとスピンが増えたので、勢いのある打球になってくれる。これが、もしかしたら“フェデラーにしか感じとれないかもしれない変化”か!?!?!?
そして、黒で統一された前モデルから変化した黒と白のコスメもプレーに大きなプラスだ。スイングする際、前モデルにはシャープさがあり、黒で統一されたがゆえにフェイスが小さく感じてしまった。一方、黒をベースにし、3時と9時の位置を白くペイントしたデザインは、フェイスが横に広がり大きくなったように感じる。打ち手は、「返球しやすい」「インパクトミスが減る」と安心感が得られるはず。とはいえ、前モデルのコスメも洗練されていて、魅力的だった。ユーザーとしては正直に言ってどっちを選ぶべきか悩む...。
新作にはカウンターベイルが搭載されているが、スペック上はまったく同じ!同じストリング(NXT)を同じ硬さで張ったが、ボールを突いてみたところ、新作のほうがボールの弾きがわずかにいい。これが実際に打ってみてどうなるのか!?
まずは旧作から打ってみたが、まず「これこそプロスタッフの打球感」と感じる心地よさだ。個人的にも気に入っているモデルなので、打っていて不満がない!振り抜きもよく、ボールも飛んでくれる、スピンだって自在に応えてくれる。やはり「いいラケットだ!」。
そして、新作の試打に。“フェデラーにしかわからないかもしれない変化”を感じられるのか!?と緊張していたが、飛びでやはりプラスαがあると感じる。とはいえ、スイートスポットで捕らえた時はさほど感じない。周囲で捕らえた時に感じられる。振った分飛んでくれるというのがPRO STAFFの良さだが、そこにプラスα、ほんの少し飛ぶ感じが加わっている。いま一つ、「センターで捕らえられなかった」、「ちょっと差し込まれた」、「動き出すのが遅かった」という場面でも、旧作より少し飛んでくれる。それもあって、打球感は旧作比でわずかに軽く感じられるのも特徴と言える。スペック上の数値は同じなのだから、この軽快感はカウンターベイル素材の効果と言えるだろう。
苦しい時に、助けてくれるわけだから、前作との差を過剰に考える必要はない。元から最高のバランスのラケットである。それが、さらによくなったのが新しいPRO STAFF97だ。
「フェデラーのオートグラフモデルを使いたいけど使いこなせない...」というプレイヤーの方や、「『PRO STAFF 97L』ではボールに力が加えられない」というプレイヤーは少なからずいるはずだ。そのプレイヤーに真っ先におススメしたいのが、新しい「PRO STAFF 97 CV」。重さは315gあり、数値的には「重いかもしれない」と感じるかたもいるかもしれないが、スイングのしやすさがその心配を吹き飛ばしてくれた。黄金スペックの基準となる300gのラケットに使い慣れている人でもしっかりスイングできるラケット。それでいてパワーも申し分ないというのが正直な感想だ。
前モデルはコスメが黒で統一されており、シャープなスイングができる印象。高いホールド感に反して打感は少し硬く感じるのだが、それとは裏腹に想像以上のボールの伸びやスピードが出るのが前モデルの特徴。それと比べると、新モデルは打感が“もっちり”している。その柔らかさはわずかなものだが、イメージどおりの弾道でボールをコントロールしやすい。個人的には、ボールが食いついてくれるので、旧作と比べてループ系のボールが打ちやすくなっていると感じた。高めの弾道も打って勝負するプレイヤーにおススメしたい。
フェデラーからの“(女性やジュニア選手の使用を考えて)パワーアシストを加えたい”という要望どおり、新作「PRO STAFF 97L」では「ハイ・パワーフォマンス・カーボン・ファイバー」を素材に使用。飛びに関してプラスとなっている。試打してみて、まず感じたのはその部分。“ボールが軽く打ち返せる”のだ。決して旧作が飛ばなかったというわけではない。より飛んでほしい時に飛んでくれるラケットになった、という感覚だ。ストロークでは、スピンよりフラット系のほうが質のいいボールが飛んでいく。パワーが上がったといっても、球持ちはいいので厚く当てつつ、スピンをかけると、プロスタッフらしい走っていって最後に落ちるボールが飛んでいく。パワーアシストの部分は、サーブでも感じられたが、驚いたのはボレーのバランスが非常に良いこと。しっかり飛ばしてくれるので、ボールのコースに面をセットするだけで「お!」と思うようなボレーが飛んでいってくれた。同じく球威があるボールを打つリターンもかなり良い感じだ。
女性、ジュニア向け?...と考えて試打したが、290gもあるし、一般男性プレイヤーが振り回せるラケットだ。最後にもう1点、ライジングが非常に打ちやすい。面ブレしないので、早いテンポで打ちたいという人が気に入るはず。そして、カウンターベイルが入った前作の衝撃吸収性(最後にムギュっと衝撃が消える)は見事だが、カウンターベイルを搭載していないものの、新しい97Lはそれが気になるような衝撃は感じられなかった。打ってみればわかるはずだ。
今回、試打した中で最も軽く、幅広いプレイヤーが扱えるラケットが「PRO STAFF 97L」。先に打ったのは、前モデル。まず感じたのは、しっかりした打ち応えでありながら鋭いショットが打てる一本だということ。インパクト時、ボールが食いつきながらもパーンッと気持ちよく弾く。その感覚以上にボールへ力が伝わっていてくれ、フラットドライブ系のスピードがありつつ、コートに収まってくれる。
それに対する今回の新モデルは打感が大きく異なる。ボールを持ってくれる感覚とそれを押し出す感覚は前モデルではあまり感じられなかったフィーリングだ。パワーに関しても、290gとは思えないほど力強いボールが打て、扱いやすいラケットでもパワーを求めるプレイヤーにとってメリットだろう。また、新モデルにはカウンターベイルが搭載されていないが、嫌な打感はなく、むしろこの柔らかさは高評価。今回の新・PRO STAFF 97Lも優秀なラケットだ。
|
|
|