USオープン、ベスト8まで進んだロジャー・フェデラーのラケットにお気づきだっただろか? ブラックを基調としたアンコンタミネーテッド・デザインで作られた前作を使用していたのだ。
特別な意味があるはずだ。ブラックを使った意図はこうだ、など、さまざまな憶測も出たが、何のことはない。
「これがいいと思っただけなんだ」とフェデラー。
「ブラックを、また使ってみたかっただけさ。もちろんブラック&ホワイトは素晴らしいラケットだ。レーバーカップには、特別なものを用意しているよ。そのあと、多分、元に戻すと思う。今回は、USオープンのナイトマッチだし、これがいいと思っただけなんだ」
今年は9月21日〜23日、シカゴで開催された第2回レーバーカップ(ちなみに同イベントは、フェデラーと彼のマネージメントを務めるチーム8がロッド・レーバー氏に敬意を表するために作ったエキジビション)。昨年行われた同イベントでは、フェデラーとナダルのダブルスが実現し、話題となったことは記憶に新しい。この際、会場のみでブラック×ゴールドというPRO STAFF RF97 AUTOGRAPHのエクスクルーシブカラーが発売になったことをご存じの方もいるだろう。
“特別なものを用意しているよ”、フェデラーの言葉どおり、今回もエクスクルーシブカラーが用意されていた。
史上初だろう! “鮮やかなウイルソンレッド”のPRO STAFF RF97 AUTOGRAPHの登場である。
アメリカを代表する大都市シカゴは、実はウイルソンの本社とラボがある都市。そして、今回、ウイルソンはそのために「CHICAGO GOES RED(シカゴが赤くなる)」というキャッチフレーズと共に、ウイルソンレッドのラケットをリリースしたというわけだ。しかも、今回のモデルは、秘密裏に進められ、レーバーカップの開幕日と同じ9月21日より発売がスタートしている。日本での発売は1,875本。数に限りがあるだけに、知らなかった方は、ショップに急ぐべきだろう。
これで前作のブラック、限定のブラック×ゴールド、現行モデルのブラック×ホワイト、そして今回のウイルソンレッド、短期間にこれだけのモデルが出たことになる。
昨年秋、フェデラーが11年ぶりの来日を果たした際のインタビューを覚えているだろうか?
フェデラーは「デザインで言えば、すでに色々な進化を遂げているけど、今後は大会毎、試合毎にラケットのデザインを変える選手も出てくるかもしれないね」と語っている。
そして“USオープンのナイトマッチだから、ブラックを使いたい”と語ったフェデラー。今、思えば、2つの言葉はリンクしているように思える。
試合ごと、テニスの機会ごとにラケットを変えてみる。フェデラーが描いた時代の流れ、あなたもその流れに乗ってみるのはどうだろうか。
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