「自分でもわからない。ただ、USオープンのナイトマッチには、ブラックがふさわしいと感じたんだ」
昨年のUSオープン初戦当日、ウイルソンは、センターコートをバックに映した(2016年発売カラーの)「PRO STAFF RF97 AUTOGRAPH」の写真と共にInstagramを投稿した。
『One iconic city. One iconic player. One iconic racket. Under the lights of center court, @RogerFederer starts R1 with his all-black tuxedo racket.<象徴的な都市。象徴的な選手。象徴的なラケット。センターコートの光の中で、フェデラーがタキシード・デザインのラケットで初戦に臨む>』。
ロジャー・フェデラー(スイス)が、初代Uncontaminated Design(アンコンタミネイティッド・デザイン)のラケットを使用するニュースは大きな話題となる。その夜、Black in Blackのラケットを手に戦ったフェデラーは、西岡良仁を6-2、6-2、6-4で退ける。
冒頭の言葉は、USオープン1回戦後の記者会見で語ったものである。そのタイミング以降、Black & Whiteのコスメではなく、タキシード・デザイン(Black in Black)を手にしてプレーしているフェデラー。
『旧モデルの使用では?』『新モデルのスペシャルコスメでは?』・・・論議が巻き起こったが、真実は<後者>。
つまり、ラケットのフープ部分(フェース部分のフレーム)のフレックスを下げる調整を図った現行モデルの「PRO STAFF RF97 AUTOGRAPH」、それをBlack in Black仕様にして使用していたわけだ。
発売されているモデルにはないスペシャルコスメ。当然、ウイルソンに数多くの要望が届いたという。それならば、Black in Black仕様の現行モデルを作るべきだろう。そうして、フェデラーが現在使っているモデル、『PRO STAFF RF97 AUTOGRAPH Black in Black』の発売が決まったのだ。
前作と同じタキシード・デザインではあるが、異なる部分がある。それは、スロートの内側部分。前作にはあったスイス国旗が取り除かれたデザインとなっている。これは、同モデルのデザインにも深く関わったフェデラーからの「よりシンプルなアンコンタミネイティッド・デザインに」というリクエストを反映したものである。
発売は5月中旬(予定)。通算100勝を挙げたのは、『PRO STAFF RF97 AUTOGRAPH Black in Black』を使ってである。すでにATP1000マイアミ・オープンで101勝目を挙げているフェデラー。愛機と共に、2019年シーズンどれだけの伝説を作っていくだろうか?
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