ジミー・コナーズ、ピート・サンプラス、ロジャー・フェデラーと歴代の王者が愛用してきたPRO STAFF(女子ではクリス・エバートも使用)。フェイス面積90平方インチ、フレーム厚17.0mmとスペックだけを見ると現在リリースされているラケットの中ではハードな部類に入るが、だからこその『しなり』、『振り抜きの良さ』、『打球感の良さ』があり、一般テニス愛好家にも「PRO STAFFがモデルチェンジするごとに、買い続けてきた」というユーザーが少なくない。
そのPRO STAFFが2014年に新たに生まれ変わる。今回の新PRO STAFFの特徴は、フェイス面積、ウエイト、バランス、フレーム厚といったスペックはまったく変わらず、素材にケブラーを新たに加えたこと。防弾チョッキにも使われるぐらい振動吸収性が高いケブラーは初代プロスタッフの時から採用され、それが「独特の持ちがある」「打球感が柔らかいのにしっかりしている」といった"プロスタッフ独特の打球感"という評価となってきた。しかし、2012年にリリースされたPRO STAFF SIX.ONE 90ではフェデラーの「もっとパワーとクリアなフィーリングが欲しい」というリクエストにより、新素材のバサルトファイバーを採用。インパクト時の情報がより鮮明に使い手に伝わってくるモデルとなったが、ケブラーの持つ粘り感がなくなったため『プロスタッフ独特の打球感』という意味では持ち味が少し薄れたことも否めなかった。
そこで"原点回帰"という意味もこめて、新PRO STAFFではバサルトファイバーにケブラーを加えた素材を採用。『プロスタッフならではの打球感』を復活させることに成功した。
また、この新PRO STAFFには極上のフィーリングをもたらす<アンプリ・フィール・テクノロジー>も受け継がれているので、懐かしいながらも新時代に対応した唯一無二のフィーリングでボールを打つことができるのが特徴だ。
2014年の新シーズンから、フェデラーはこれまで同様フェイス面が90平方インチ のPRO STAFF 90、ディミトロフとドルゴポロフがPRO STAFF 95を使う予定になっ ている。この2つはアスリート向けのモデルだが、フェース面積が大きいPRO STAFF 100Lもリリースされる。100Lは285gと軽量でフレームが厚いため、軽快にボールを打ち返すことができる。
PRO STAFFに"Sラケ"登場
更に今回は、2013年からWILSONが発表した「スピン・エフェクト・テクノロジー (S.E.T)」を搭載したPRO STAFF 95Sも登場する。
95Sは16×15のストリングパターンによって、ショット時のストリングの動きが大幅に増えることでよりボールを飛ばしやすく、
回転もかけやすくしたモデル。この向上した回転と飛びによってショットが安定 してコートに入りやすくなるため、プレーヤーのミスを減らしやすくできる。このモデルは中級者レベルの愛好家でもプロスタッフならではの打球感を楽しめるので、『憧れていたけれど、これまでは敬遠していた』という方には是非トライしてほしい。
本村浩二プロ
運ぶスイング向きの95、 ヘッドを回して振り切るスイング向きの95S
「95はラケットヘッドをすぐに返すようなスイングをするとうまくパワーが乗らない感じで、それよりは少し押し出して運ぶようなスイングをしたほうがこのラケットの良さを生かしてパワーとコントロールのあるショットが打てました。いかにリラックスしてスイングするかがカギですね。逆に95Sはラケットヘッドを回して、速いスイングスピードで打つと飛びと伸びが両立したいいショットが打てるラケットだと思います」
米村知子プロ
パワーのある男性向きの95、 女性でも滑らかにスピンをかけやすい95S
「95は打球感がすごくシビアで、ボールの飛びをラケットがサポートしてくれるわけではないので、しっかり打つにはパワーが必要です。ボールを押さえ込むようにフラット系でコースを狙っていく、男性上級者向けのラケットだと思いました。95Sのほうは振り抜き感が良く、縦ストリングを使って滑らかにボールに回転をかけているのがわかるラケットでした。女性でもこのラケットを使えば、スピンをかける楽しさが味わえると思います」
チーフ高(テニクラ編集長)
狙った一点に打ち込める95、 ボールに変化をつけたくなる95S
「95はインパクト時にボールを捕まえている感が抜群で、『狙った一点にフラットドライブで押し込んでいく』攻撃的なシッョトを打ちたくなるラケットです。打球感がマイルドで、振り抜き感もいいので、自分がうまくなったような感じがしました。95Sはそれとほぼ同じ感覚で、より回転ががかけやすいというイメージで、『高い軌道のスピンショットで勝負しよう』『スライスでボールに変化をつけよう』と思わせてくれるラケットでした」
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