人間の足の構造は見れば見るほど機能的に作られていて、横から見たときに土踏まず部分が湾曲している(縦アーチ)のは分かりやすいが、前から見ても親指から小指にかけて湾曲したカーブ(横アーチ)を描いている。この他、足裏には脂肪がついており、着地時には2つのアーチがつぶれることと、この脂肪の働きにより体にかかる衝撃を吸収。また、このつぶれた2つのアーチが復元する力がバネの役割を果たし次の動きへの原動力となる。このように、足には人間がスムーズに移動するための機能がそもそも備わっているのだ。
その中でも速く動く時に重要なのが『2つのアーチの復元力』で、これはアスリートを使った実験によっても証明されている。つまり、『アスリートは自分の筋力を使うことで速く走っている』と言うことができ、シューズは足が本来持っている動きを妨げない作りになっているべきなのだ。
そこにフォーカスして設計されたのが、ウイルソンから12月下旬にリリースされるニューシューズRUSH PRO 2.0だ。大きな特徴は、2つのアーチが≪つぶれる→復元する≫動きをする部分には伸縮性のある素材を使用し、足の両サイドには足のズレを防止する硬めの素材を用いる、といったように足本来の動きをサポートするために硬さの違う4つの素材を適所に配置し、さらにそれらをシームレス(縫い目なし)でつなぎ合わせていること。それにより皮膚のようなストレスのない高い一体感が可能になり、また、股関節と連動している足指を動かせるスペースも確保しているため、これまで以上に速く動けるシューズに仕上がっているのだ。今回登場するRUSH PRO 2.0に搭載された前足部の機能は『センシティブ・3Dフォアフットサポート』と名づけられており、この技術はテニスプレーヤーのパフォーマンスを高めることを100年間考え続けてきたウイルソンと、足を徹底的に研究しスキーブーツからアウトドアシューズまで幅広く開発を進めてきたサロモンとの共同開発だからことできたもの。
実際にこのRUSH PRO 2.0をコートで履いて動くと、そのスピード感を実感できるのだが、簡単に体感したい場合は、その場で屈伸をしてみてほしい。そうして体重をかけて自分のアーチをつぶすと、そのアーチが復元して次への動きがスムーズになることをRUSH PRO 2.0がサポートしてくれているのが分かるはずだ。