ウイルソンから発売されているRUSH PRO SLには、『ダッシュ初期時の踏ん張り力がアップする』、『スイング開始時の下半身からのパワーが伝えやすい』というテニスのパフォーマンス・レベルをアップさせる3D-F.S.(3D フォアフット・サポート)機能が搭載されているのだが、同じ機能を持つRUSH PROと比べて約60g軽く、また≪アウトソールが重心移動しやすい2ピース構造≫、≪反発系重視のシャンクを使用≫、≪ヒールドロップが9mm≫と、いわゆる前へダッシュしやすい構造になっているのが特徴だ。そのため、プロや学生プレーヤーほど左右へハードに移動しない、という一般プレーヤーからの支持が高く、発売以来スマッシュヒットを続けている。
そうした人気は、ウイルソンが提案する『適度な圧迫感を感じながらプレーしてほしい』という理念が徐々に浸透していることも理由で、RUSH PROやRUSH PRO SLでは足幅(ワイズ)がEと、他メーカーに比べ狭い規格が採用されている。これは、実際に日本人の足を測定すると80%以上が2E以下(ワイズは狭い順からA→B→C→D→E→2E→3E→4E→F→G)というデータがあるため。その上で激しく動くならば、カカトがしっかりホールドされていなければならず、さらに足の甲の左右&上部部分に適度な圧迫感があり、足指が適度に動くスペースが必要だ。だからこそワイズをEに設定し、『履いた時に少し圧迫感を感じる』テニスシューズ作りをしているのだ。
しかし、前述したように日本人の80%以上が2E以下というデータのとおり、残りの20%は2E以上という現状にウイルソンは一策を講じる。9月に発売されるRUSH PRO SLでは新色が追加されるだけでなく、ワイズがこれまでのEより一段広くなった2Eのものも用意。実測が2Eより大きい人にも『適度な圧迫感を感じながらプレーできる』シューズもラインナップに加えたのだ。この2Eは、3Eや4Eといった幅広をリリースしている他社に比べるとまだまだ狭いカテゴリーなのだが、そもそも3Eや4Eは必要ないという"こだわり"こそウイルソンが譲れないところ。足に合わない幅広を履くとシューズ内で足が動くので、ねんざなどで足をくじくリスクが高まるだけでなく、外反母趾、内反子趾、浮き指の原因となってしまうのだ。
改めて紹介すると、今回、RUSH PRO SLは、クレー&砂入り人工芝コート用とオールコート用で、それぞれワイズがEと2Eの2モデルが発売される。つまり合計4モデルが新色でリリースされることに。これまでRUSH PRO SLを愛用してきたユーザーには引き続き愛用いただき、そして新たなユーザーには是非RUSH PRO SLを履いてコート内を動く違いを知ってほしい。