ウイルソンのフットウエアには「3つの特徴」が存在する。
まずご紹介したいのが、ウイルソン・フットウエアの代名詞ともいえる『フォア・フット・サポート(前足部のサポート力)』。テニスという競技の特質を考えた場合、陸上短距離など前方向への推進力を求めるものとは異なり、左右はもちろん、時には前へ、時には下がって...と360度あらゆる方向に動く特徴がある。
キック、ターン、ダッシュ、そしてジャンプなどあらゆる動きを行う中で、重要なのが<足の前側(前足部)>なのだ。それは読者の皆様も実感頂いていると思う。 だからこそウイルソンは、テニスで最も重視すべき「前足部」にこだわっている。具体的に書くと前足部を立体的にサポートすることで、シューズ内の足のブレを抑え、(足とシューズの)一体感を高めることで、ロスのないパワー伝達を可能にしているのだ。
「3つの特徴」2つ目は、『ワイズ』である。ちょっと詳しい人なら、足幅のサイズがいかに大事かを知っているかもしれない。一般的に日本人は「幅広・甲高」と言われている。それに対してウイルソンのフットウエアは、原則「Eサイズ」しかない(1型のみ2Eサイズ)。もちろん、欧米人の足に合わせているからではない。実は!! 日本人の足が「幅広・甲高」というのが迷信なのだ。
その証拠に“全男性の8割以上が2E以下”“全女性の8以上がE以下”というデータも存在する。さらに書くと、年代によって多少の差はあり、年齢の低さとワイズの狭さは比例の関係にある(若年層ほど足が細い)。
ところが、テニスシューズ市場には「3E」「4E」という幅広モデルがあふれていて人気も高い。これは『多くの人が、実際のサイズより大きな横幅のものを履いている』ということを意味する。足に当たらないから良い…そのモデルでプレーすれば、足がシューズの中で暴れてしまう。当然、パフォーマンスの低下。それだけでなく、マメやタコの障害、最悪は足のケガ、変形(アーチの崩れ、開張足)にもつながりかねない。
「3つの特徴」最後は、『ヒールドロップの設定』。ウイルソンでは「ヒールドロップの設定を最小で6mm、
最大でも9mm」と決めているのだ。 ヒールドロップとは前足部とかかと部の高低差のこと。当然ながら、ヒールドロップの差が大きいほど、前方への体重移動がしやすくなるので、ダッシュがしやすくなる。
それでは、大きいほうがいいのか? もちろん、そんな簡単な話ではない。前述したとおり、テニスは360度あらゆる方向に動くスポーツである。
だから“前にだけ早い”だけでは、バランスが悪いのだ。ウイルソンでは度重なるテストを実施。その結論として、6mm又は9mmこそ360度方向への俊敏な動きを可能にする黄金値であると確信し、それを守り抜いている。
そしてウイルソン・フットウエアを象徴するモデルと言えば、「ラッシュ・プロ」シリーズ。その最新作「ラッシュ・プロ2.5」の2018年のニューカラーの発売がいよいよ近づいている。 その歴史がスタートしたのは、2013年。ウイルソンが、アウトドア・フットウエアNo.1ブランド"サロモン"との強力タッグで初代モデル「ラッシュ・プロ」をテニス界に送り出してからである。
以上を踏まえて、改めて「ラッシュ・プロ2.5」についてご紹介したい。同モデルのコンセプトは「絶対的安定感」。まず前足部には最新テクノロジー「3D-F.S.(3D・フォア・フット・サポート) 」を搭載。ソール部分からアッパー、シューレースホールまでをトータルに、立体的にホールドし、シューズ内でのブレを抑制している。その「3D-F.S.」と「PTC シャンク(ミッドソールに埋め込まれたパーツ。足のアーチを保ち、中足部のねじれを抑制する)」が、スムーズな回転運動を促し、打球のパワーとコントロールを高める。
そして同モデルの「ヒールドロップ」は6mmに設定。テニス特有の360°方向へのスムーズな動きを実現させているだけでなく、安定性を最大限追求するという意図での設定だ。 テクノロジーはまだまだある。優れたフィット感を生み出すために、シュータンには「ENDOFIT(タン全体が甲を包みこむような形状のインナースリーブ)」を採用、アッパーには屈曲性を高めるための「SENSIFEEL」、ソックライナー(インソール)にも耐久性とパワー伝達性に優れた「3Dハイ・デンシティ・オーソライト・ソックライナー」を使用している。
ウイルソン×サロモンが持つテクノロジーの粋を結集させたフットウエアこそ「ラッシュ・プロ2.5」と言える。今回のニューカラーも多くのプレーヤーが足を入れ、コートの上でハイパフォーマンスを発揮することだろう。