ステファン・エドバーグが愛用していたPRO STAFF 6.1 CLASSICに端を発し、それ以来、脈々と伝統が受け継がれてきたのがSIX.ONEシリーズ。一見、フェデラーが愛用するPRO STAFFシリーズと似ているが、PRO STAFFシリーズのフレームがボックス形状なのに対し、このSIX.ONEシリーズはラウンド形状。
インパクト時の情報をしっかりプレーヤーに伝えてくれる打球感の良さを持ちつつも、現代テニスに必要なスピン性&パワーを出すために、フレームの変形がボックス よりも抑えられるラウンド形状が採用されている。
そのSIX.ONEシリーズが2月下旬にリニューアルされる。大きな変更点は、ストリングの可動域を広げるパラレルドリルをトップ10ホールにだけ採用していること。
錦織が愛用するSTeam 95では、トップ10ホールとサイド左右14ホールに採用しているのだが、より繊細な打球感を求めるSIX.ONE 95使用プレーヤーを対象に様々なパターンでのテストを行った結果、打球感がぼやけることなく少しだけ上方向へのスイートスポットが増えるトップ10ホールだけにパラレルドリルを採用することとなったのだ。
インパクト時の情報にシビアなSIX.ONEユーザー向けのラケットに仕上がっていると言っていいだろう。
その新SIX.ONEシリーズの中でも、特に注目してほしいのが18×16のストリングパターンを採用したSIX.ONE 95 S。SIX.ONEシリーズにとって初めてのSラケとなるこのモデルは、ボールに与える回転力と推進力がアップする"スピン・エフェクト・テクノロジー"を搭載したラケット。打球感はこれまで同様心地良いまま、これまでと同じようにスイングしても強力なスナップバック(インパクトでズレたストリングが一瞬のうちに元に戻ること)が起こるので、打つショットのスピン力と飛びがアップ。サーブ、ストローク、ボレーとすべてのショットを駆使してオールラウンドに戦うアスリート・プレーヤーにとっては、頼もしい武器となるはずだ。
本村浩二プロ
コントロールの良いスピンを打ちやすい
適度なホールド感があり、ラケット自体がパワーを持っている感じで、コントロールの良いスピンを打ちやすいラケットだと思いました。ボールにスピードを出すこともできますね。"全体的にまとまっている"という安心感があり、スピンはかけやすいですが、スイングに素直なボールが飛んでいくという感じです。
米村知子プロ
振り抜きが良くてスピンがかけやすい
ラケット自体の重さやバランスが私にちょうど合っていて、しっかり最後まで振り抜くことができるモデルですね。スイングが途中で止まることなく、一気に振り抜いたフロースルーができるので、ボールに強めの回転がかかってスピンが打ちやすく感じました。また、ボールを深くコントロールするのも簡単で、打球感も良いので、気持ち良く続けて何本でもスピンを打つことができました。
チーフ高(テニクラ編集長)
落ちてからも勢いのあるスピンが打てる
このラケットのすごいところは、弾くようにスピンを打つのではなく、一旦"ガシッ"とボールを捕まえてからスピンが打てることだと思います。そのため、自分の意志とパワーをボールに伝えやすく、コントロール良く打てるだけでなく、グンとエッグボール気味に落ちたボールが、バウンド後も伸びるように弾んでいるのが分かります。打球感も良く、気持ち良く打ち続けられるので、試合ではすごい武器になるラケットだと思います。
|
|
|