年々進化している、テニスラケットの性能。現在は、『ボールを飛ばす』ということに関するパワーを持つラケットは非常に多くなった。まっすぐフラットで当てると、すぐベースラインをオーバーしてアウトするほどだ。しかし、そのパワーをスピンでコントロールすることで、スピードのあるスピンが可能になり(これまではスピンをかけるとスピードは遅くなってしまっていた)、テニスの可能性はさらに広まったと言える。つまり、現在テニスは『スピンをかける』ということが大切な要素となったのだが、そのためにはテクニックと同じくらいラケットによるサポートも欠かせない。そして、内山靖崇、綿貫祐介、美濃越 舞、宮﨑優実、高畑寿弥など多くの日本人に選ばれているのが『STeam 95』だ。
この『STeam 95』の特徴は、ウエイトが軽めでハンマーバランス(トップヘビー)だということ。つまりそれは289gという軽めのウエイトなので一般プレーヤーにもスイング始動がしやすく、34.0cmとハンマーバランスのためスイング中にラケットヘッドが加速、そしてフィニッシュまでしっかりとスウィングできるということ。 十分な体勢でボールを打つポジションに入った時はもちろん、少しバランスを崩したり食い込まれた状況でも高速でスウィングできるため、しっかり返球できるのだ。また、フレーム厚が22mmというのも大切な要素。フレームが厚いと振り抜き感が悪くなり、薄いとパワーが小さくなるのだが、22mmというのはパワーと振り抜き感のバランスを考慮したセッティング。以上のウエイト、バランスポイント、フレーム厚という点を考えると、『STeam 95』はウイルソンの中で一番スピンをかけやすいラケットということができる。
また、『STeam 95』は、これまで錦織 圭が15歳くらいまで愛用してきた『ツアーシリーズ』の特徴を一番強く受け継ぐモデルでもある。世界のトップと互角に戦うようになった錦織は、その成長と共にラケットのウエイトも重いものを使うようになったが、かつては『ハイパー・ハンマー』『Hツアー』『Nツアー』『NツアーII』『Kツアー』といったように、ウエイトを押さえて重心(バランス)をトップ寄りにセッティングしたハンマーバランスを採用したラケットを好んで使っていた。ハンマーバランス・テクノロジーとはその名の通り、ハンマー(金槌)のように小さな力で大きなエネルギーを生み出すシステム。こうしたラケットの特徴が、今の錦織の『パワーのあるスピンを打つ』プレースタイルを確立させたといっても過言でもないだろう。
これらの特性を考慮すると、一般プレーヤーでも、しっかりパワーのあるスピンボールを打つには、289gのウエイト、34.0cmのバランスポイント、22mm厚のフレームのスペックを持つ『STeam 95』こそ、選ぶべきラケットなのだ。
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