現在、ウイルソンからはストリングのスナップバック(ストリングがいったんズレて、その後に元に戻ること)を生かした「Sラケ」が、5カテゴリー7モデルでリリースされているが、その「Sラケ」の効果を最大限に生かすために必要不可欠なのが"ポリ"ストリング。というのも、"ポリ"はナイロンなど他のシンセティックストリングに比べ「ストリングがズレ やすく、かつ戻りやすい」という特性を持っているため。<Sラケ×ポリ>の組み合わせが、ボールに回転をかけるための最強のコンビなのだ。
しかし実際にプレーするとなると、その最強コンビを使うのは難しい。それは、「打球感」という要素が加わってくるため。打球感が硬いポリで何球もラリーを続けていると、腕に負担がかかってしまうのだ。この問題は、フェデラーや錦織といったプロにも同じように影響する。だからこそ彼らは<ポリ×ナチュラル>というハイブリッド張りで、ポリの良さとナチュラルの打球感の柔らかさという"いいとこ取り"をしているのだ。
そこで一般の方にもハイブリッド張りがオススメなのだが、できれば「縦にポリ」を張ってほしい。というのも、縦糸は「メイン・ストリング」と呼ばれるだけあり打球に関わる影響が大きく、縦にポリを張っていれば、縦横ともポリを張るのとそれほど変わらないスナップバックを得られるため。特に錦織が愛用する「4G」は、テンション維持率の高いポリなので一般愛好家にはオススメだ。
そして「横にはナチュラル」と言いたいところだが、ナチュラルは高価でおいそれと手を出せない。そのため、これまでは、柔らかい打球感を持つ「NXT」をオススメしていたのだが(高伸縮ポリウレタンをふんだんに使用しているのがミソ)、ゲージが1.24mmと1.30mmのものしかなく"耐久性"という面ではユーザーから不満の声が上がっていた。そこで「Sラケ」のために新たにリリースされたのが、ゲージが1.40㎜の「NXT DURAMAX 15」。快適な打球感を維持しながら耐久性を格段にアップ(約20%)させたこのストリングは、単張りでも売っているが、ピンポイントで『「Sラケ」にポリとハイブリッドするために作られたもの』と言っていい。
そして、この「NXT DURAMAX 15」と「4G 125」を予め組み合わせたのが「4G DUO」。日本人ユーザーの声から誕生した、日本限定発売のハイブリッド・ストリングだ。
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