ALU POWER 115(新発売)、ALU POWER 120、ALU POWER 125、ALU POWER 125 ICE BLUE(新発売)、ALU POWER 128 ROLAND GARROS(新発売)、ALU POWER 130(新発売)、ALU POWER 130 ICE BLUE(新発売)、ALU POWER ROUGH 125/130(新発売)、ALU POWER SOFT 125、ALU POWER SPIN 127とバリエーションが増えた「ALU POWER」シリーズ。その中で、どれがベストなのか? 先月号では、「ALU POWER 115」「ALU POWER 125」「ALU POWER 130」を、(広)(川)が試打。 (広)が「ALU POWER 130」、(川)が「ALU POWER 125」を“No.1 ALU POWER”にチョイスした。しかし、これで話は終わりではない。
選んだ“No.1 ALU POWER”にしても、もちろん要望はある。その要望に対してウイルソンが出してくれた処方箋を今回テストした。
「ALU POWER 130」を選んだ(広)に対しては「ALU POWER 128 ROLAND GARROS」を、「ALU POWER 125」を選んだ(川)に対しては「ALU POWER 115」×「ALU POWER 130」のハイブリッド(縦横逆バージョンも)を。それぞれどんな感触だったのかをレポートしていこう(試打ラケットは、前回と同じPRO STAFF 97 CV、テンションも同じ48ポンド)。
※先月号の「ALU POWER 115」「ALU POWER 125」「ALU POWER 130」試打はこちらをチェック
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前回、「ALU POWER 130」の良さは衝撃的だった。1.30mmというのは、パワーがある人のためのもの、と思い込んでいたが、実は違った。
まずストリング面全体がたわむ感じになり、ALU POWER独特の柔らかな打球感が顕著になる。スピンよりパワーのイメージが強くなり、高さコントロール性が増すというのが、私がNo.1に押した理由である。ストローク、ボレー、サーブ、どれもが普段使用している「ALU POWER 125」より打ちやすかった。その上での、あえての注文は、「ALU POWER 130」の打ち味をキープしつつ、「スイートエリアを先端部に伸ばしたい」ということ、そしてあわよくば「パワー、スピン性能も底上げしたい」ということだった。
それに対しての“ウイルソンの処方箋”は「ALU POWER 128 ROLAND GARROS」である。1.30mmと比較するとわずか0.02mmの違い。打ってみるとどうなったか?
結果を先に書くと、ものすごく良かった。ALU POWER 130の長所は、先ほど紹介したとおり、ソフトさが助長された打球感、そしてコントロール性。「ALU POWER 128 ROLAND GARROS」では、ソフトさではわずかに劣るものの、まずスピン性能、パワーはアップする。ダンピング(ストリング面のたわみ)に関しては、普通に考えれば0.02mm分、小さくなるわけだが、先端部部分でもより飛びやすなり、ショットミスが減った。
ストロークでは、ネット上の狙っているエリアを通しやすくなり、スピンもかかる。サーブでは、スピン系にキレが増す。これは特に良いと思ったのはボレーである(ALU POWER 130もボレーは良かった)。ソフトがあり、スピンがかかり、パワーも出る。だからこそ、きれいな軌道でのボレーが打ちやすい。特にダブルス中心の人でボレーが苦手な人は、太めのゲージを試してほしい。
技術的にも体力的にも上級者ならばALU POWER 115という選択になるかもしれないが、一般的にはこの「ALU POWER 128 ROLAND GARROS」というチョイスは素晴らしくよく感じる。太さへの抵抗はあるかもしれないが、逆に驚くことだろう。“こんなに良いとは思わなかった!”と。
ALU POWER 128 ROLAND GARROS |
広 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | コメント | |||||
打球感 | 5 | 130と相違ないソフトさ | ||||||||||
パワー | 4 | 130より感じる | ||||||||||
スピン | 4 | 130よりかかる | ||||||||||
ストローク | 5 | 高さの制御が可能。スピンも◯ | ||||||||||
サーブ | 4 | スピン系のキレが良くなる | ||||||||||
ボレー | 5 | きれいな弾道で飛ばしやすい | ||||||||||
強打 | 4 | 同じ4だが、130よりGOOD | ||||||||||
タッチショット | 4 | スライスは同様に伸びる | ||||||||||
総合評価 | 5 | 0.02mmの差だが明らかに良い |
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先月のWilson Web Magazineの試打では、「ALU POWER 125」が私のお気に入りに! というのも、柔らかい打球感の中に適度な弾きがあり、力を入れなくてもボールを飛ばすことができたから。一方で、もう少し柔らかい打球感やパワーを求めた。そこで、ウイルソンの答えは、1.15mmと1.30mmのハイブリッド!
まず試打したのは、メインに1.15mm、クロスに1.30mmという組み合わせ。
打ち始めてすぐに感じたのは、非常に軽快で嫌な感覚がまったくないということ。ストロークでは、フェイスが横になるため、ボールの行方に大きく関係するのはメイン(縦糸)だ。おそらくメインに1.15mmが張ってあることで、細いストリングのソリッド感を感じられたのだろう。しかし、打球感は決してハードではなく、クロスに1.30mmがあるため、単張りより打球感が柔らかいセッティングに。先月の試打では、「1.15mmはコントロール性に欠ける」というレビューをしたが、それを1.30mmのストリングが補い、ボールの飛びやコントロールが安定したのだと思う。
「1.25mmが自分のベストバイ!」だと思っていたが、“ポリ×ポリのハイブリッド張り”も今後の選択肢に入れたい! そう思わせてくれるほどこの組み合わせはよかった!!
縦ALU POWER 115 × 横ALU POWER 130 |
川 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | コメント | |||||
打球感 | 5 | 柔らかさの中に心地よい弾き感 | ||||||||||
パワー | 4 | 過度な飛び感はない | ||||||||||
スピン | 4 | 115のメリットが生かせる | ||||||||||
ストローク | 5 | パワーも出せる | ||||||||||
サーブ | 4 | フラット系が打ちやすい | ||||||||||
ボレー | 4 | 打球感が柔らかくなり打ちやすい | ||||||||||
強打 | 5 | ノビが格段にアップ | ||||||||||
タッチショット | 3 | 115の感覚が強くなってしまった | ||||||||||
総合評価 | 5 | 両方のメリットが生かせた |
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最初に打った組み合わせの逆パターン。
打ち始めてすぐに感じたのは、やはりメインストリングの柔らかい打球感だ。1.15mmのストリングの打球感を“点”で捕えているとしたら、1.30mmは“面”で捕えている感覚。ボールのホールド性が高いかなと思う。プラスαで1.15mmの芯のあるような打ち味が加わる。
ただ、やはり私にとって、クロスに1.15mmを使用してもメイン1.30mmの打球感はまだ重い…。ボールを飛ばすためにパワーが必要となるため、そこでボールコントロールがしづらくなってしまった印象。
一方で、ボレーやサーブは打ちやすい! 打球感が柔らかく、ボールを送り出すようなイメージで打つとスーッとボールが伸びてくれる。
縦ALU POWER 130 × 横ALU POWER 115 |
川 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | コメント | |||||
打球感 | 4 | 130に芯のある硬めの打感が気持ちいい | ||||||||||
パワー | 4 | 115のパワーが少し感じられる | ||||||||||
スピン | 3 | 太いゲージはやはりかかりにくさがある | ||||||||||
ストローク | 4 | 少しパワーが必要 | ||||||||||
サーブ | 4 | 柔らかい打球感で打ちやすい | ||||||||||
ボレー | 5 | 食いついてコントロールしやすい | ||||||||||
強打 | 4 | 130の単張りより打感良し | ||||||||||
タッチショット | 4 | スライスが打ちやすい | ||||||||||
総合評価 | 4 | 125より打ちやすさがアップ |
前回のゲージ違い試打で生まれた要望を踏まえて今回の試打に臨んだ試打隊。(広)、(川)共にかなり満足! したものの、「あそこが、こうなればもっといいのになぁ」というのはしつこいがまだある...。
どんな要望にも応えてみせましょう! というウイルソンからのお話に甘えて、ワンモア要望!!!
計算によると、次回は、やばいことになる! はず!
まぁ、とにかく気持ちよくプレーができる。しかし、欲望とは恐ろしいもの。打ったあと、頭に浮かんだのはメインのストリングをもう少し細いものにする、または加工してあるものにしたら、もっといいのでは? という想いである。1.30並みの打球感を維持しながら、様々なバランスがよくなった。そして今度は、これにさらなる弾きの良さ、スピン性能を加えたい。ってなんとも贅沢な話であるが、できるんでしょうか??? ウイルソンさん。。。
縦糸に1.15が入ったことで、力を入れなくても飛ばせるし、適度な弾き、柔らかさがかなり打ちやすかった。ハイブリッド張りで1.15mm、1.30mm双方のメリットが出たなと感じていた。その一方で、やはり感じるのは、1.15mmのソリッドさ。単的に言えば、ちょっと不安定さがあるのだ。もう少し安定感ある飛び、スピン性能が欲しいと思ってしまうワガママさをお許しを…。ウイルソンさん何とかなりますか?