時代は「ハイブリッド」である。
現在、ATP、WTAツアーでは、ラケットに2種類のストリングを張る「ハイブリッド」が、隆盛を極めている。ツアーでの契機は、「ヘンマン(イギリス)の勧めで試した」フェデラーが、2002年にハイブリッドに移行したこと。“フェデラーがおもしろい張り方をしている”、瞬く間に情報が伝わり、多くの選手が取り入れて今に至るのだ。
そのフェデラーのセッティングは、メインにナチュラル(ウイルソンNATURAL)、クロスにポリ(ルキシロンALU POWER ROUGH ※同組み合わせを「チャンピオンズ・チョイス」として発売中)というもの。それもあって「ハイブリッド=ナチュラル×ポリ」と勘違いされがちだが、本来はメインとクロスに異なるストリングを張ることを意味し、双方の長所を引き出すことが目的である。
最新の情報では、ポリ×ポリ(フェリシアーノ・ロペス、ルーシー・サファロワなど)、ポリ×ナイロン(カイル・エドムンド、マディソン・キーズ)など、ツアーでも新たな流れが出てきている。異なるポリを張るハイブリッドは、タテ×ヨコにそれぞれ何を張るかで、よりパワーを、よりコントロールを、そして打球感をアップさせることができるそうだ。ただ、縦横ともにポリだけで張った場合、その特徴を発揮するために一定以上のスイングスピードが必要。かと言ってポリ×ナチュラルは高価。どちらも多くの人が楽しめるセッティングとは言い難い。
そこで、ウイルソンが目を付けたのが、「ポリとナイロン」の組み合わせ。製品化に向けた大規模な試打テストを実施した。各国の選ばれたウイルソン・アドバイザリー・スタッフのメンバーたちがテスターとなり、ウイルソンのナイロンストリング「NXT」シリーズと、ルキシロンのポリストリングを組み合わせた数百通りのハイブリッドラケットで試打テスト(縦ポリ×横ナイロンのセッティング)を行い、①パワーの大きさ ②コントロール性 ③打球感(ホールド感)について、徹底的に評価を調査した。その結果、各項目で圧倒的な評価を受けたもの。それが、今回ご紹介する3種の「DUOシリーズ」(4月発売予定)である。
まず「DUO POWER」は、その名のとおり、スピードを加速させ、パワーを最大限に引き出す。ルキシロンALU POWER 125とウイルソンNXT POWERのセットで、コンパクトで速いスイングタイプの方に推奨のストリングだ。
次に「DUO CONTROL」は、ルキシロン4G ROUGH 125とウイルソンNXT CNTROL16を組み合わせたもの。試打をした24種類の中で、最高級の操作性という評価を得たセッティングで、コントロール性だけでなく、クリアな打球感という特徴もある。こちらは大きくて速いスイングタイプの人に適しているという。
最後は「DUO FEEL」。柔らかなルキシロンELEMENT 125とウイルソンNXT 16により、極上のソフトフィーリング、ホールド感を実現。タッチショットで特に長所を発揮するセッティングとなっている。コンパクトでゆっくりめなスイングタイプのプレーヤー推奨となる。
さて試打テストでは縦にポリ、横にナイロンというセッティングで張っていたが、逆に張ったらどうなるのか? (縦にナイロン、横にポリ)ということ。もちろん、これに関してもテストを実施している。結果、「DUO POWER」では“よりパワーがUP” スピード、回転が上がり打感もクリアでボールが伸びる、「DUO CONTROL」では“打球感がUP” 柔らかい打球感が好きな方向け、「DUO FEEL」では“さらに打球感がUP” 言わなければポリを入れている事がわからない位ソフトという、プラスαの結果が出ている。
DUO CONTROL | DUO POWER | DUO FEEL | ||||
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縦Poly × 横Nylon |
縦Nylon × 横Poly |
縦Poly × 横Nylon |
縦Nylon × 横Poly |
縦Poly × 横Nylon |
縦Nylon × 横Poly |
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Soft | B | B | B | B | A | S |
Power | B | C | A | S | C | B |
Control | S | A | C | B | B | B |
Spin | B | B | B | A | A | A |
テンション維持 | B | A | C | B | C | C |
ナチュラル×ポリ等ハイブリッドは、これまで敷居が高いものだったことはまちがいない。だが、「DUO」シリーズは価格も手ごろで、ハイブリッドを試してみるいい機会となるはずだ。ツアーでの常識と同様、一般プレイヤーの世界でも“ハイブリッドが常識”となっていくことだろう。いち早く、その波に乗るかどうかは、あなた次第だ。
そんな期待高まるDUOシリーズを、発売に合わせて、モニターが大募集される。なんと、DUOシリーズ3種を数週間モニターして、それぞれのレポートを求めるというもの。自身ではなかなか出来ない貴重な体験ができるもので、自分に合ったセッティングを探すには絶好のチャンスだ。我こそはと思う読者の方は是非申し込んでみてはいかがだろうか?
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