先日、ウイルソンがSNS上で行っているアンケート「WilsonResearch」で、興味深い結果が出た。
なんと、すでに7割の方が“ポリ”を使用!! その内の約半数がポリに“柔らかさ”を求めていた。ポリというと“硬いもの”というイメージが根強いが、技術の進歩によって近年では柔らかいポリも誕生している。
その技術の一つが「ROUGH<ラフ>」加工だ。ストリング自体に凹凸を作ることで「しなやかさ」がアップ。ソフトフィーリングになり、自然とスピンがかかる効果をもたらしている。
ルキシロンには、ツアーNo.1の使用率を誇り、パワーとスピン性能に長ける「アル・パワー」、パワーとスピンが特徴でありテンション維持性も高い「4G」、ルキシロン史上最も柔らかい「エレメント」という3つのラインにラフ・モデルが存在する。
ウイルソンの研究によると、「STIFFNESS RATING」(硬さの数値)は、ラフ加工することで約10%数値が落ちる(=柔らかくなる)ことがわかっている。元々の硬さの数値順では、「アル・パワー」「4G」「エレメント」の順となる。それがラフ加工されことで、柔らかくなり、ホールド感もアップして球持ちがよくなるから、コントロール性もアップするというのが、一般的な説明だ。10%柔らかくなると言われても、正直、イメージが難しい...。そこで、ちょうど「エレメント・ラフ」は、2月21日に発売となったばかりということで、今回は知っている人は知っている!? テニクラ試打隊の(広)&(川)が、アル・パワー&ラフ、4G&ラフ、エレメント&ラフと合計6モデルを打ち比べ!! 各種ラフモデルについて正直な感想を発表していこう!
※試打では「ULTRA 100 CV」を使用
テニクラ試打隊基礎情報
(広): 40代男性。フォアのグリップはウエスタン(が基本だが、対応が遅れた時にすぐ薄くする)。バックは片手打ちだが、スライスに逃げがち...。
(川): 20代男性。フォアのグリップはフルウエスタン(一周回って薄い!?)。小さなころからスクールで鍛えられた技術があるが、体力はさほどない。
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試打担当 | 編集部(広) | 編集部(川) | ||
モデル | アル・パワー | アル・パワー・ラフ | アル・パワー | アル・パワー・ラフ |
柔らかさ |
3 | 3.5 | 3 | 3.5 |
パワー |
4 | 4.5 | 4 | 4 |
スピン | 4 | 4.5 | 4.5 | 5 |
打球感 | 3.5 | 4 | 3.5 | 3 |
まず「アル・パワー」は、さすがの弾きの良さ。スイートエリアで捕らえれば、ホールド感覚もいいし、打球も心地よい。特に感じるのは、インパクトの際、どこで捕らえたか、スピンの感覚など、インパクト時の情報を多く得られるということ。
そして「アル・パワー・ラフ」だが、まず打球感は全体的にマイルドになる(表現が正しいかはわからないが、衝撃が散る感覚も)。またボールの飛びも、より飛んでいくイメージ。フラット系で打つとオーバーしがちなので、スピン量を増やして打つようにしていた。また、ボレーやスライスなどアンダースピン系に限れば、スイートエリアがより広く感じてノビもいいのでラフに1票。スイングが速く、かつマイルドさを求める人は「アル・パワー・ラフ」をオススメしたい。
まずは「アル・パワー」を試打。4Gと比較すると、こちらのほうが硬さはある。そう書くと否定的に感じてしまうかもしれないが、いい意味で弾力性が少しない感じ。フレームが硬めのハードヒッター向けモデルに張れば、かなり良さが出そうだ。 一方の「アル・パワー・ラフ」は、その硬さが緩む感じ。ダイレクトに響いてこないので、ボン→ボフという打球感になった。基本的には、どちらもコントロール性がいいと思うが、「アル・パワー・ラフ」になるとそれが際立つ。ハイブリッドで使うとより打ちやすくなると思う。
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試打担当 | 編集部(広) | 編集部(川) | ||
モデル | 4G | 4G・ラフ | 4G | 4G・ラフ |
柔らかさ |
3.5 | 3.5 | 3.5 | 4 |
パワー |
5 | 5 | 5 | 4.5 |
スピン | 3.5 | 4 | 4 | 4 |
打球感 | 3 | 3.5 | 5 | 4.5 |
アル・パワーのあとに打ってみたが、とにかく弾きがいい。ビックリするくらい「4G」は飛ぶ! このパワーこそ、最大の魅力なのだ。その飛びがあるからか、正直、硬さを感じた。「4Gラフ」では、そこがソフトフィーリングになるのがハッキリわかる。また、ゆっくり当てて返すような時に、スピンがよりかかっているような感覚があった。そのほかの部分(パワー、弾き、スピン性能)については、4Gのパフォーマンスをそのまま受け継いでいる。飛びを求める方で、硬い感覚が好きな人は4Gを、柔らかさを求める人は4Gラフを、という選択がいいと思う。
打った感覚は、弾きの良いストリング。とはいえ、鉄板というほどまでの硬さはない。むしろ、個人的に4Gはちょうどいい硬さ。喰いついてから、ボールをはじき出す感覚があり、私同様この感覚が好きな人は多いと思う。ストロークはもちろんだが、ボレーでもこの弾きは生きる。
そして「4Gラフ」! インパクト時の音が収まるというか、感覚的にすごく軟らかくなる印象だ。スピンも多少ながら、かかりやすい感覚もあった。また、弾きは「4G」よりも抑えめに感じる。「4G」も決して硬くはないが、それが硬く感じるなら、「4Gラフ」という選択がいいと思う。
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試打担当 | 編集部(広) | 編集部(川) | ||
モデル | エレメント | エレメント・ラフ | エレメント | エレメント・ラフ |
柔らかさ |
4.5 | 5 | 4.5 | 5 |
パワー |
3.5 | 3.5 | 4 | 4 |
スピン | 4 | 4 | 4 | 4.5 |
打球感 | 5 | 5 | 4 | 4 |
「エレメント」は、もはやポリの硬さではない。目隠しして打ったら(打てないけど)、ほとんどの人はナイロン・ストリングだと間違うはず。ルキシロン史上最も柔らかいポリという触れ込みに大きく首を縦に振る。エレメントの最大の長所は、その柔らかさだが、ホールド感も素晴らしく、球持ちが長いのでスピンもかかるし、コントロールもいい。アル・パワーや4Gと比べたら、パワーでは劣るが、それでも十分飛ぶし、全体のバランスが魅力だと感じる。
そして、新発売の「エレメント・ラフ」だが、柔らかいフィーリングがさらに良くなっていることがわかる。また、ホールド感もアップしていて、コントロール性が高い。ボレーやスライスなどのタッチ感覚もラフのほうがより良いと感じた。オールラウンドさを考えるならエレメントシリーズでまちがいなし。そして、さらなる柔らかさ、ホールド感、コントロール性を求めるなら「エレメント・ラフ」をオススメしたい。また、スイングスピードが遅い(遅くなった)人だったら、エレメント・ラフをゆるいテンションで張ることで、パワーも補えるし、スピンもよりかかりやすくなるのでうまい使い方だと思う。個人的には、中高年こそ使ってほしいポリだと思う。
まず「エレメント」だが、やっぱり柔らかい! すべてのポリ・ストリングスの中でも、最も柔らかいのでは!? その打感がまた気持よくて、ホールド感も素晴らしい。球持ちがいいので、コントロールもつけやすい。ポリに柔らかさだけでなく、打球感も求めたいなら、エレメントはまちがいなくいい。
そのラフ加工バージョンはどうだったかというと、弾きに関しては少し少なくなる印象。柔らかさに関しては、さほど変わらない印象だった。そう書くと、あまり特徴がない感じになってしまうが、ストロークではスピン系が打ちやすいし、しっかり芯があるというか、緩いボールでもパンと弾くボレーが打ちやすく、ドロップボレーも打ちやすい。バラエティあるプレーがしやすい、距離感も出しやすいというほかにない特徴がある。