革新さ、クオリティーの高さ、デザイン性、クリエイティビティ... ウイルソンにはさまざまな側面がある。一つ言えることは、"ホンモノを創ることに誇りを持っているブランドである"ということだ。
今回、紹介する「ナチュラル・ストリング」にも、そんな想いが伺いしれるストーリーが盛り込まれている。テーマとしたのは「PURE NATURAL」。本物のナチュラルとは何か?
ウイルソンにとって、ナチュラル・ストリングは強い思い入れがあるもの。アシュランド・マニュファクチャリング社(ウイルソンの前身)時代の1914年に、会社として初めて作った製品だからだ。同社は、精肉業の副産物(スジや皮)の再利用を考え、ナチュラル・ストリング、外科用縫合糸などを作り出している。
よりよいフィーリング、より高い耐久性を発揮する本物のナチュラル・ストリング。そのために、まずこだわったのが原料となる牛。ナチュラル・ストリングは牛の腸を加工して作られるもの。健康的な牛のほうが質の高いものができるのは自明の理。選ばれたのは、オーガニック・グラス・フェド・カウ(自然の牧草で飼育された牛)だった。この牛の腸には、ストリングに用いると打球感・耐久性を向上させるβカロチン、ビタミンE、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれている。
その強さは、折り曲げてみれば一目瞭然。ウイルソン、ルキシロンのストリングは何もなかったように元通りに戻るのに比べ、通常のナチュラル・ストリングは折った部分に折り目ができ、白くなってしまう。
そんなウイルソン、ルキシロンのナチュラル・ストリングがラケットに張られたらどんな性能を発揮するのか? 柔らかくフィーリングがいい。そしてテンションを維持できる時間も長くなる。それだけ"ピュア・ナチュラル"は強いのである。
今回リリースされるナチュラル・ストリングは、いずれもベルギーのルキシロン工場で作られたものだ。
「ルキシロン」のナチュラル・ストリングは、ハイブリッド張りを想定して作られたもの。通常より多い9本のリボン(繊維)を束ねることで、強さ、柔らかさを実現している。ポリエステル・ストリングとの組み合わせで最大のスナップバック(インパクト時にストリングがズレ、戻ることでスピンがかかる現象)を発揮するように、ストリングには低摩擦コーティングが施されている。ぜひともポリエステル・ストリングとのコンビで発揮されるボールの伸び、スピン性能を体感したいストリングである。
一方「ウイルソン」は、100%ナチュラル・ストリングを堪能する方に向けて作られたもの。リボンの数はルキシロンの9本に比べ8本と少ないが、打球感の柔らかさはもちろん、ナチュラル・ストリングならではの打球感、コントロール性能を味わいたいなら、こちらをチョイスすべきだ。
いずれのモデルも決して安価ではないが、それだけのパフォーマンスを発揮してくれるのは事実。圧倒的なパワーと打球感。張ってみれば"本物"の性能を実感できるだろう。
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