Wilson :: NXT CONTROL (NXTコントロール)

Wilson :: NXT CONTROL (NXTコントロール)

マルチとポリのいいところどり!柔らかい打球感で<速く><正確に>ボールが飛んで行く!!新フィーリングの『NXTコントロール』
これまでのストリングをはるかにしのぐ<パワー>と<スピード>をボールに与えることができるポリエステル・ストリングは、プロが使い始めたことによって一般プレーヤーにまで人気となってきた。しかし、本当に一般テニス愛好家がポリエステルの性能に100%満足しているかどうかとなると、疑問が残る。
ポリエステルのパワーとスピードは確かに魅力的なのだが、ポリエステルにはその反面、<テンション維持率がそれほどよくない>、<打球感が硬い>というデメリットがある。7ゲームや9ゲームのボールチェンジに合わせて新しいストリングのラケットに替えるプロでさえ、縦糸か横糸どちらかにポリエステルを使い、もう一方の糸はナチュラルにするということも珍しくない(パワーとスピードを維持したまま打球感を柔らかくするため)。プロがそうなのだから、1~2週間でストリングが切れてしまうプレーヤーならともかく、3~4ヵ月はストリングが切れないという一般愛好家がポリエステルを張ると、気持よく打てるのは最初の2週間程度ということになってしまう。
そのため現在、ストリング市場には、『柔らかいポリエステル』をうたったモデルが次々に投入されている。こうしたストリングは、確かに従来のポリエステルより打球感が柔らかく、縦糸・横糸ともにポリエステルで張っても腕にそれほど負担とならないソフト感がある。しかし、打球感が柔らかいといっても、それはあくまで<ポリエステルにしては>という条件付きのもので、やはりナイロンのマルチ・ストリングに比べれば硬いのも確か。ましてや、ナチュラルやポリウレタンなど、ナイロンよりさらに柔らかい素材を使ったものとは比較にならない。だが一旦、ポリエステルのスピードとパワーを体感したプレーヤーが、もう一度、ナイロンやポリウレタンなどの柔らかい素材のストリングに戻れるかというと、それも難しい。だからこそ、前述のように柔らかいポリエステルが開発されているのだ。

NXT CONTROL しかし、柔らかいポリエステルではテニス愛好家のニーズに応えていることにはならない。そこで、ポリのパワーとスピードに魅了されつつも、ナイロンやポリウレタンの柔らかい打球感も求めているプレーヤーに向けてウイルソンが開発したストリングが、『NXTコントロール』だ。このNXTコントロールの最大の特徴は、細い糸を束ねた4束のポリエステルと、同じく細い糸を束ねた3束のナイロンを、ポリウレタンという柔らかい素材で包み込んだこと。そもそもポリエステルには<スピード><パワー>、ナイロンには<シャープな打球>、ポリウレタンには<ソフトなフィーリング>という特徴があるのだが、この『NXTコントロール』はそれぞれのいいところどりをした画期的なストリングと言うことができる。
NXTコントロールは、ポリエステルが4束、ナイロンが3束集まっているということで、そのパワー、スピード、シャープさは想像がつくだろう。そこで、ここでは、それらをポリウレタンでまとめることが、どれほど重要であるかを少し紹介したい。そもそも、ポリウレタンはナイロンより伸縮性があり柔らかい素材なのだが、ストリングをまとめる素材(レジン)として使用するには温度を一定に保たなければならないという制約があった。しかし1995年、ウイルソンがその課題をクリアし、NXTというモデル名で発売。そして、このストリングを試打ラケットに張って貸し出したところ「ナチュラルが張ってある」と誤解するプレーヤーやコーチが続出するほど、打球感はソフトなものだった。これは、弾力、伸縮、復元力の高いポリウレタン・レジンを採用したことによる効果が現れたもので、それ以来、NXTはウイルソンを代表するナチュラルに近いストリングとしてプレーヤーの間で認知されるようになってきた。特に厚ラケを使っているテニス愛好家、柔らかい打球感が好きなプレーヤーには、現在でも大人気のモデルだ。

『NXT CONTROL』断面イメージ図そのポリウレタン・レジンで、4束のポリエステルと3束のナイロンをまとめているのが『NXTコントロール』。それぞれの素材が持つ特性、そしてポリエステルの束のほうがナイロンの束より1本多いことなどから、ソフトな打球感でありつつ、パワー、スピード、シャープさを兼ね備えたストリングであることが分かるだろう。これまではポリエステルのスピード&パワーを生かしつつ、ソフトな打球感を得るためポリエステル×ナチュラルというハイブリッドでストリングを張っていたプレーヤーは、このNXTコントロールであれば1本でまかなうことができる。そして、このほうがテンション維持率にすぐれているため<長く使える>というメリットがある。さらにポリエステルのスピード&パワーを維持したままソフトな打球感をもたらしたことで、ダブルスを頻繁に行うプレーヤーがタッチ感を残しつつ鋭いボレーを打つことができるようにもなった。そうした意味では、ポリエステルでもナイロンでもない、その中間に位置する新しいカテゴリーのストリングの代表として、このNXTコントロールを捕らえたほうがいいのだろう。

<テニスクラシック高木編集長インプレッション>

テニスクラシック高木編集長インプレッション一旦ボールをストリングでしっかり捕えるホールド感と、インパクト時のソフトな打球感がとても印象に残るストリング。また、自分からスイングしても相手打球 をブロックしても、ボールを丁寧に弾き出して、ネットを越えてベースラインまでに落ちるという感覚の飛びなので、左右だけでなく長短のコントロールもつけ やすいのも特徴的。戦術的にコートを広く使いたいプレーヤーが気に入ると思う。
さらに、このプレーヤーに伝える飛びとタッチ感の分かりやすさは、特にボ レーでアングルを狙ったりファーストボレーを深くコントロールしたりするときに大きなサポートになると思われる。相手サーブもしっかりブロックして狙っていけるので、コントロール志向のダブルスプレーヤーは特に重宝するだろう。