今年ウイルソンから新たに発売されるSTEAMファミリー(錦織 圭、伊藤竜馬、クビトワが使用)やJUICEファミリー(アザレンカ使用)は、積極的にスピン回転を使ってボールを打つスタイルのプレーヤーに向けて開発されたラケット。スピン&パワーを出しやすいように設計されているのが特徴だ。そうして新たに開発されたラケットには、やはりそれにジャスト・フィットする新たなストリングがあるもの。
その一つとして紹介したいのが『センセーション・コントロール』。このストリングは、STEAMファミリー、JUICEファミリーのスピン性能をさらに高めるストリングというテーマの元に開発されたマルチフィラメント。均一性と耐久性を向上させたデュポン社製の高品質フィラメントを使用しているため製品によるムラがなく、マルチ・フィラメントならではの"ソフトな打球感"、"球持ちの良さ"、"テンション維持率の高さ"を最大限に生かせるのが大きな特徴だ。しかし、それだけでは市場に流通している他の高品質マルチ・フィラメント・ストリングと比べた時に大きなアドバンテージとはならないし、またSTEAMファミリー、JUICEファミリーの新ラケットにマッチするとも言い切れない。そこでウイルソンが施したのが、マルチ・フィラメントの束にリキッド・クリスタライン・ポリマーをリボン状に巻きつける技術。リキッド・クリスタライン・ポリマーはルキシロンのストリング『アドレナリン』『サベージ』に使用されている、高い反発性を確保しながら打球フィーリングの柔らかさやボールの食いつきの良さを実現できるポリエステルの新素材。
最近のプロはスピンを強くかけていくため、打ちごたえ感がありボールにパワーを伝えられるポリを使うことが多くなったのだが、ポリには"パワー&スピン"という魅力がある反面、"打球感が硬い"、"テンション維持率が悪い"というデメリットがあり、一度ストリングを張ると3ヵ月ほど使い続けることもある一般プレーヤーには手を出しにくいという事情がある。しかし、ポリが持つ"パワー&スピン"は手に入れたい。特に、STEAMファミリー、JUICEファミリーなど、これまで以上にスピンで勝負できるラケットではなおさらだ。そうした一般プレーヤーの市場のニーズに合わせたストリングとして新たに開発されたのが、マルチ・フィラメントの束にリキッド・クリスタライン・ポリマーをリボン状に巻きつけた『センセーション・コントロール』なのだ。
マルチ・フィラメントなのでインパクト時の打球感はソフトで、さらにホールド感も高いためコントロールがつけやすい。それでいて、リボン状に巻きつけられたリキッド・クリスタライン・ポリマーがポリ独特の"パワー&スピン"性能を発揮。柔らかな打ちごたえの中に、スピンを打つパワーを宿したストリングとなったのだ。
ボールをつぶすようにスピンで振り抜くスタイルだけれど、プレーをするのは週に1~2回でストリングを張り替えるのは春夏秋冬のシーズン毎という社会人。ポリだと振動が気になるジュニアなど柔らかくて高反発モデルのストリングを求めている方に特にトライしてほしいのが、この『センセーション・コントロール』だ。
Wilson SENSATION CONTROL