ウイルソンがこの春リリースした「ULTRA」シリーズは、フェリシアーノ・ロペスなどのトッププロも使用する100から、圧倒的なパワーで根強い人気を持つ厚ラケ・ユーザーを意識した110Sまで、ほぼ全てのプレーヤー層に対応したシリーズ構成となっている。ウイルソンが提案する新たなスタンダード、それが「ULTRAファミリー」なのだ。
決定機を逃さないコントロール性と、ハイ・パフォーマンス・カーボン・ファイバー・ファイバー搭載のパワーを両立した、トッププロも使用する本格派モデル
「ULTRAファミリー」の「頼りがいのある長男」として位置づけられるのが100だ。変形制御性能に優れるハイ・パフォーマンス・カーボン・ファイバーと、ハーフ・オクタゴン・フレームの組み合わせが、バウンド前の飛行中のまだ勢いの強いボールを打つボレー時に特に威力を発揮。強烈なインパクトにも面がブレないため、強く打つボレーも、回転量を多めにして手元に落とすようなドロップボレーも自在にこなせるチューニングが与えられている。グリップのフレームに標準装備化したコンフォート・フォームは打球時の不快な衝撃を吸収して、必要な打球情報のみを手元に伝える仕上がりで、「ボレーヤーのための黄金スペック」の二つ名通りの切れ味を持つ。
グロメットにも秘密がある。ストリングスの可動域を広げるダブルホールと、可動の支点をフレームの外側にしてより大きくストリングスの反発力を利用できるパラレルドリルがフレーム上部に8カ所、フレームサイドに14カ所配置され、スイートエリアが大きく拡大。テスターたちの評価では、どうしてもミスヒットが多くなりがちなボレーでのミスを防止するだけでなく、球乗り感の良さで、ボレーを運ぶようにコントロールできると好評だ。
これらの特徴はボレー以外のショットのコントロール性能にも直結。実際、サーブ&ボレーを得意とするフェリシアーノ・ロペスだけでなく、強力なフォアが武器のルーシー・サファロワも愛機に選んでいるあたりにその実力の確かさが伺われる。
ボレーを武器のレベルに上げたいシリアスプレーヤーはもちろん、今までの黄金スペックモデルにコントロール性が足りないと感じていたプレーヤーに特にお勧めしたいモデルだ。
「ULTRAファミリー」の「次男」が103S。その名の通り、スナップバック効果によるスピン性能を加えた「スピン・エフェクト・テクノロジー」を採用したモデルで、16×15のストリングパターンが、ストロークではボールに食いついて強力なトップスピンをかけ、ネットプレーでは回転の操作性を上げてくれるモデルになっている。バウンド後のキック力やスライスによる滑りをコントロールしたいプレーヤー向けのチューニングだ。「長男」である100よりも軽量な分だけ、よりハンマーバランスが強調されているので、ヘッドを走らせるようなスイングを出しやすいのも特徴の一つ。ネットプレーに加えて、ストロークのボールの力でも勝負したい万能型モデルだ。
「ULTRAファミリー」の「3男」、つまり末っ子にあたるのが108。上の2人の兄弟よりもさらにパワーを強調するためフレームにはラウンド形状を採用。打感のソフトさや快適性を重視した仕上がりになっている。
末っ子らしく誰からも愛されるような性格のモデルで、パワーを求めるプレーヤーには、フレームの上部10カ所、サイド14カ所のパラレルドリルとダブルホールが生み出す広いスイートエリアと、強い球乗り感によるコントロール性とスピン性を確保。強力なボールを正確に打ち出せ、かつ、コンフォート・フォームの衝撃吸収性の高さで打感もマイルドというモデルだ。 アスリート向けのモデルから卒業したシニア層や、あくまでも気軽に、そして楽しくテニスをプレーしたいという一般層、長時間クラブやスクールでプレーするというクラブプレーヤーには最適の1本だろう。
「ULTRAファミリー」の中でも「母親」的な存在がこの110S。ウイルソン伝統の厚ラケの圧倒的なパワーを受け継ぐモデルでもある。 XP(エクストラパワー)の名の通り、どんなボールでもしっかりと受け止めて跳ね返す、母親の広い包容力と強さを体現したようなモデルと言ってもいい。 V字のブリッジ部にはパワーを司るメインストリングの長さを最大限にするパワープロファイルが搭載され、フレームにはウイルソンラケットでは最強のカーボンであるウルトラ・ハイ・パフォーマンス・カーボン・ファイバーを使用。小さなスイングでも強力にボールを飛ばすパワーモデルだ。
ウイルソン厚ラケには根強いファンが多く、古いモデルを今なお使い続けているファンもいて、しかも、試合にも出ているというシニア層も数多く存在する。一生楽しめるのがテニスの素晴らしさの一つでもあるが、110Sはそんなシニア層を応援するためのモデルとしての登場でもある。Sのモデル名の通り、スピン・エフェクト・テクノロジーも搭載され、回転操作性も抜群なのが、ただの厚ラケではない理由。現時点で「最強の厚ラケ」と呼べるのがこの110S。一度体感したら抜け出せない魅力を秘めた完成度の高いラケットでもある。
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