オーストラリアンオープンで、選手のストリングを張り替えるオフィシャルストリンガーを務めているのはウイルソン。１試合に平均して３～５本、ストリングの張り替えを出す選手をサポートするため、世界各国から優秀なストリンガーがオフィシャルストリンガーとして召集されているのだが、日本からも細谷 理氏が参加。細谷氏は10年以上前からＵＳオープンのオフィシャルストリンガーを務めるなど、豊富な海外経験を持つ日本でも屈指のストリンガーだ。
その細谷氏によると、最近はルキシロンのポリを使う選手が本当に増えているという。確かにルキシロンはポリエステルストリングの先駆け的メーカーだが、現在は他のストリングメーカーもポリを続々と発売している。それでも、なぜルキシロンが選ばれるのだろうか？　その理由を細谷氏は次のように語る。
「まず、ルキシロンのストリングには、選手のニーズに応えることのできる、あらゆるタイプのポリがあることが挙げられます。
さまざまな特性を持ったモデルだけでなく細いゲージのものも揃っているため、ハイブリッドで張ることも考えると本当にたくさんの組合せの可能性があります。例えば、コントロールを重視したいのであればメインにナチュラル×クロスにアルパワー・ラフ、ストロークでのパワーを出したいのであればメインにアルパワー×クロスにナチュラルという組合せができます。特に細いゲージのものは、うまく組み合わせるとスピンをかけたりコントロールをつけやすくなったりするので、本当に可能性は広がります。」
「またルキシロンのポリは、他のポリに比べストリング自体にコシがあるのが特徴です。そのためパワーや反発力が大きく、ボールをつぶしてから打つため、相手のボールが強くても力負けしません。プロ選手のレベルになるとすごいスピード＆パワーでボールを打つのですが、"ルキシロンのストリングを使うとよくなる"という評判が選手間で広がっていることも、ルキシロンユーザーが増えている理由です。つまり即戦力になるストリングなのです。」
さらに細谷氏は、ストリングを張るテンションが高くなってきたことも最近の傾向だという。「高いテンションで張ると、ポリといえども張っている最中に"角切れ"します。ある選手は68ポンドで張っていたのですが、"あと少しで張り上がり"というところで切れることもありました。しかし、そんなときに張りやすいのがルキシロンです。細いゲージを高いテンションで張っても切れないため、選手も安心ですし、ストリンガーも安心できます」
やはり、プロが使っているモノには、それだけの理由があるものなのだ。

オーストラリアンオープンでのストリング＆テンションリスト

＜男子＞

＜女子＞