近年のラケットの中で、特徴的なことが、ラージサイズ・モデル(通称デカラケ)が再び人気となってきていることだろう。大きなスイートエリアとパワーという特徴で、どんなボールでもフェイスで捕らえれば返すことができる。それはプレーヤーに安心を与えるラケットである。
現在ウイルソンのラージサイズ・モデルと言えば、XP125がある。フレーム素材には現時点で最強の素材である「ウルトラ・ハイ・パフォーマンス・カーボン」を採用。加えて飛びを決めるメインストリングをハンドル付近まで延長する独特の「パワープロファイル構造」にすることで、実質135平方インチ以上のラケット(WilsonではOUTEREDGEという135平方インチのラケットが販売されていた)が持つパワーとスイートエリア、スピン性能を実現している。いわば"大きさ"をパワーに変えた人気モデルである。
そして10月、この「XP(EXTRA POWER)シリーズ」に、2本の新ラケットが加わる。3本の共通は、ウルトラ・ハイ・パフォーマンス・カーボンとパワープロファイル構造を採用しているということ。では、どんな違いがあるのか?
日本限定モデルの「XP0」は120平方インチとXP125より5平方インチ小さい。その最大の特徴は、3モデルの中でフレームを最も硬くしているところ。硬いフレームにすることで、パワーを作りだし、ボールの飛距離、スピードを生み出そうというわけだ。XP125より7g軽くなっている分、スイング速度も速くなるはずで、飛びも実感できるだろう。
大きさでパワーを実現したXP125、硬さでパワーを実現したXP0、そして、ユーティリティーなラージサイズ・モデルとなるのが「XP1」である。フェイス面積は110平方インチと3本の中では最も小さく、265gと軽量。操作性がよく、ほどよく飛んでくれるというのが一番の特徴なわけだ。
いずれのモデルも、パワー面はユーザーを十二分に満足させるはず。ボールに最短距離で近づいてフェイスに当ててつないでチャンスを狙う――そんなプレースタイルの方には、ウイルソンの同ラインナップが、ストロングポイントを与えてくれるはずだ。
XP125といえば、個人的には全部スイートエリアと思ってしまうほどの楽ラケ。特にスライス系のショットは、攻守に渡って打ちやすいという印象だ。そして今回、ラインナップに加わったXP0、XP1は、そのラケットに打ち応えを加えていったシリーズだ。120平方インチのXP0は、XP125よりしっかりした打感となっていて、軽さ、飛びも十二分。これなら、私でもボレー無双になれる、と思わせてくれるラケットだ。それを、さらにしっかりした打感にさせたのがXP1。フェイスサイズもダウンしているが、それでも110平方インチなのでスイートエリアでも捕らえやすい。飛ぶラケットの場合、誤差が大きくなるのが常だが、このラケットはコントロール性も確かでさまざまなボールも打ちやすい。昔のデカラケをまだ使っている、という方は、使ってみたら驚くことだろう。
軽く振るだけでボールが飛ぶXP125とXP0、XP1の違いは何か? まずXP0は打った感じの軽さが印象的。XP125より抑えが効くけど、軽く飛ぶ感覚は同じ。スライス、ボレーと逆回転系のショットが打ちやすいと感じた。XP1は、さらに打ち応えをアップさせたモデルだ。XP125、XP0と比較すると、競技モデルに近い感覚で打つことができる。それでも110平方インチというフェイス面積、安心感は抜群だ!
マーケット最大ラケットのXP125。パワーの源はその大きさ。そのパワーが飛びはもちろん回転にも生かされます。そしてウイルソンのラケットでもっとも硬いXP0。パワーの源はまさに硬さ。そのパワーは飛びはもちろんスピードに変換される。大きさ、硬さは少し控えめなXP1。ユーティリティな厚ラケだ。
|
|
|