テニスをしている人なら誰しも一度は「プロのようなボールを打ちたい!」と思ったことがあるだろう。しかし、日頃から技術・体力を鍛えている彼らと同じようなショットは容易に打てるものではない。特にプロ選手が打つスピンは、厚い当たりで強烈な回転がかかっているので
①打ち出し角度が高い
②ボールが落ちる
③バウンド後にも勢いを失わない
という3つの大きな特徴がある。①のように打ち出し角度が高いとネットミスが減り、②のようにボールが落ちればベースラインより飛びすぎてアウトすることがなくなり、さらに③のようにバウンド後も勢いがあれば相手の振り遅れを誘うことができるというメリットがあるのだ。
しかし一般プレーヤーにとっては、ボールにスピン回転を与えるのは難しいテクニック。また頑張ってスピンをかけても、パワーがないためバウンド後にスピードが落ち、相手のチャンスボールになってしまうことも少なくない。だが裏返して考えれば、しっかりスピンが打てるようになれば、それを軸にプレーの幅が広がって来るのも確かだ。
そこでお知らせしたいのが、「スピンをかけやすいラケット=スピンモンスター」、STeam Sシリーズ。かつてウイルソンが極細フレームのラケットを発売した時にスイングしやすいということから「スピンラケット」という"うたい文句"を使っていたが、スピン性能に特化したラケットとしてはウイルソンだけでなく他メーカーを合わせても、それ以来の発売だ。
このSTeam Sシリーズの特徴は、16×15のストリングパターン。スピン回転は、ボールがストリングに当たった時、一旦ズレたストリングが1000分の3秒といった一瞬のうちに元の位置に戻るスナップバックによってかかるのだが、ウイルソンが16×10、16×20、8×10、8×20といった色々なストリングパターンで検証した結果、横糸(クロス)が縦糸(メイン)よりも少ない時にスナップバックの幅が大きく、さらに戻るスピードが速いことがわかった。そして、その[メイン>クロス]という法則を踏まえてさらに突き詰めると、テニスラケットにおいてはメイン16本、クロス15本がベストという結論が導き出されたのだ。
このSTeam Sを打ったフェデラーは、「確かにスピンはかけやすいね。ネットを低く感じてしまうくらいだ。これを使ったら皆がナダルみたいになってしまうよ(笑)」と言っていて、錦織は「もの凄いです。ビックリしました。パワーがないプレーヤーも簡単にスピンが打てるんでしょうね。スピンをかけるということは、とても大切なので。僕達選手はともかく、ジュニアや一般プレーヤーにとっては凄いメリットがあると思います」とコメントしている。それほどこのSTeam Sシリーズは、楽に強烈なスピンがかけられるのだ。
そして16×15のストリングパターンは、スライスを打つ時にも大きな武器となる。打点の低いボールをバックスピンをかけたスライスで持ち上げることが楽になるため、厳しい状況でのミスが減るし、自分から打ち込む時は強烈なスライス回転でボールを滑らすことが可能になる。またサーブにおいても、サイドを狙えば大きくカーブしてバウンド後にサイドに逃げるスライスサーブとなるし、相手ボディを狙えば甘いリターンを誘うことができるだろう。
また、このスピンモンスターSTeam Sシリーズに張るストリングとしてオススメなのが、錦織が愛用する4G。ルキシロンのポリ・ストリングは、そもそも<スナップバックが大きくてパワーもある>というのが特徴なのだが、この4Gは中でも打球感が柔らかく、ポリストリングの最大の欠点であったテンション維持率の悪さを克服したモデル。ポリのメリットは残したまま、ポリに抵抗がある一般プレーヤーが手に取りやすいよう開発されたものなのだ。
それでも、「打球感はソフトなものがいい」という方には、ナチュラルと4Gとのハイブリッド張りがオススメ。錦織と同じこの組合せは[KEI'S CHOICE PREMIER Ⅱ]としてパッケージで売られているので、トライしやすいだろう。また、弾力性の高いNXTやスピン性能の高いSENSATION CONTROLといったシンセティックを4Gと組み合わせて、自分好みにシア上げていくのもアリだ。
>>「 STeam 99S / STeam 105S」に関する詳しい情報(2013.1.20更新号)
>>「Sシリーズ」が持つ高い「スピン&スピード&飛び」性能に関する詳しい情報(2013.2.20更新号)
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