あなたは「クッション性が"売り"のシューズのはずなのに、かえって疲れるな」という経験をしたことがないだろうか?
実は、その感覚は正しい。これは、『床反力』を考えると分かりやすい。床反力とは、足が床を押すのに対応して床からの反作用の力が足に加わること。これを前提とすると、例えば砂浜に立った場合、柔らかいがうえに自然に踏ん張る力が働き、それと同じ床反力が返ってくるため「疲れるな」という感覚になるのだ。
そもそもシューズに衝撃吸収材などのクッションが入っているのは、「人が走ると体重の3〜4倍の衝撃が足に加わる」ことから、それを和らげるためのもの。だが、人間の足の裏、とくにかかと部分にはもともと脂肪がついていて、走る時の衝撃を吸収できる構造になっている。つまり我々は、いわゆる『天然のジェル』を持っているのだ。この"自前のクッション材"では補えないものを加えるのであれば<良いサポート>となるのだが、過度なクッション材の使用は<悪いサポート>となり、かえってパフォーマンス力が落ちてしまうことになるのだ。こうしたことは既に研究が進んでいて、例えばウエイトリフティングのシューズはかかと部分が木などの硬い素材が用いられているが、これは床反力を効率良く得るため。また、テニスのプロ選手が愛用するインソールも硬いものが多いが、これも柔らかいとかえって疲れるうえ、機動力が低下するからだ。
その点、ウイルソンのRUSH PROは、テニス特有のスライディングや急激なストップ、そして瞬発的なダッシュをサポートするための必要最小限の衝撃吸収材R-DST (強度の違う2種類のEVA)しか入っていない。それでも、実は履いた人からは「クッション性がいい」という評価が数多く出てくるのだが、それは、踵周りの構造とインソールの作りによるもの。RUSH PROはかかとを側面からしっかりホールドし、ズレないよう適度な圧迫感を持たせる設計となっているため、脂肪の層が厚くなるのだ。これは手の親指と小指を着けると、手のひら(足の踵に当たる部分)の肉が厚くなるのと同じ原理。自分の足の脂肪が集まり厚くなっているので「クッション性がいい」と感じているのだ。
ウイルソンのRUSH PROには、テニスの動きの特性を生かすため前足部を立体的にサポートする3D-F.S.という機能が搭載されているのだが、その他に今回紹介した『人間本来の足の機能を呼び覚ます』ことも考えた設計になっているのが特徴でもある。細部を見つめていくほど、設計思想の高いシューズということが分かってくるのだ。
1914年に創業されたウイルソン。今年2014年に、生誕100周年を迎えた。これを記念して1914足限定で日本向けに作られたのがWilson 100th Anniversary ModelのRUSH PRO。コールをベースに、レッドとゴールドを用いた力強さのある特別カラーリングが施されているが、別にレッドのシューレースとシューケースが付いてくるので、好みに合わせて雰囲気を変えることができるのも嬉しいポイント。今年のUSオープンで契約選手が履く予定のこの100周年記念シューズ。6月中旬発売なので、『性能が高いRUSH PROを、他の人とは違ったもので欲しい』という方はぜひチェックを!
RUSH PRO 100th CC ¥12,700(税別)
ALL COURT
MEN'S 25.0~29.0cm WOMEN'S 22.5~26.0cm
/レッドシューレース、100周年記念シューサック付き
>> 「動きがスムーズになる」と高評価なのは<3D-F.S.>機能が搭載されているから!(2014.3.20更新号)
>> プロや一般プレーヤーから高評価のRUSH PRO。 今年は新カラーが追加登場!!(2014.1.20更新号)
>> ショップの現場ではRUSH PROが大人気! アートスポーツ本店 関口さんの証言(2013.11.20更新号)
>> 足にこだわる人にほど認められるRUSH PRO(2013.7.20更新号)
>> 新シューズ RUSH PRO について、カタログには載っていない4つのこだわり(2013.5.20更新号)
>>「RUSH PROが少しキツめなのは、パフォーマンスを向上させるため!」に関する詳しい情報(2013.4.20更新号)
>>「フォアフットにこだわった評価はいかに? 」に関する詳しい情報(2013.3.20更新号)
>>「パワー、スピード、コントロールを高める、フィット感抜群のフットウェアー」(2013.2.20更新号)
>> シューズの基本(2012.12.20公開)